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群馬県や安中市が相次いでLGBTなど性的少数者のカップルを公認する「パートナーシップ制度」の導入方針を打ち出すなど、性の多様性を認める動きが広がっている。一方、県内には県立の男女別学高校(全日制)が13校あり、公立でも性別で入学先が分けられる状態が続く。群馬県教育委員会は2022年度以降の高校統合や共学化の方向性を示す計画を本年度中に作成予定で、性的少数者への配慮がどこまで反映されるか注目される。
◎別学10校以上は群馬、埼玉、栃木の関東3県のみ
群馬県の男女別学は前橋、高崎、桐生、太田、沼田、館林、渋川地区に計13校ある。来春に桐生女が桐生(理数科はすでに共学)と統合して1校減るが、それでも埼玉県の12校と並んで全国最多だ。10校以上あるのは栃木県(11校)を含めた関東3県のみとなる。
県教委は近年、高校を統廃合する場合に限って共学化しているが、県高校教育改革検討委員会が今年3月にまとめた報告書からは微妙な変化が読み取れる。
共学化について「性差による制限のない学校選択の保障」という観点を新たに盛り込み、性的少数者の生徒に対応する必要性に言及した。一方で、地域や関係者の理解と協力を得ながら進めるのが望ましいとした。山本一太知事も今月12日の定例会見で共学化の考えを問われ、同様の回答をしている。
性的少数者の別学への受け止めはさまざまだ。支援団体「ハレルワ」代表の間々田久渚さん(29)は女性に生まれ、男性として生活するトランスジェンダー。進学した太田女子高ではズボンで過ごし、「想像していたよりも伸び伸びと過ごせた」という。「別学か共学かは一概には言えない。ただ、制服の選択制や自由化などは積極的に進めてほしい」と語る。
同副代表でゲイ(男性同性愛者)の星野貢汰さん(30)は中学の授業などで男女で分けられることに違和感を覚えた経験もあり、共学を希望した。「残っている別学校は進学校で『伝統がある』などと言われるが、性別で分ける明確な理由になっていない。共学化を進めていくべきだ」とした。
県教委は、検討委の報告書を踏まえて第2期県高校教育改革推進計画(22~31年度)を本年度中にもまとめる見通し。第1期で高校再編に付随していた共学化が、第2期でどう位置付けられるのかが焦点になる。
大学教員らでつくる「ぐんま公立高校男女共学を実現する会」の坂本祐子代表は「報告書に性的少数者への配慮が加えられたのは当然の流れ。そもそも性別は二分できるものではなく、性別によって受験資格が制限される現状について、多くの人に意識を向けてほしい」と議論の活発化を期待する。