「死刑さえ生ぬるい」 座間事件公判で女子高生両親が陳述書
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 神奈川県座間市のアパートで2017年、群馬県邑楽郡の高校1年の女子生徒=当時(15)=を含む男女9人の切断遺体が見つかった事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職の男(30)の公判が25日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)であった。遺族による意見陳述と被告人質問が行われ、女子生徒の両親の陳述書を検察官が朗読し、「娘ははっきりと生きていくという結論を出していた」「被告には死刑さえも生ぬるい」とする心情が示された。

 両親は意見陳述で、承諾殺人だったとの弁護側の主張に対し「間違いなく単なる殺人。娘ははっきりと生きていくという結論を出していた」と反論。「後ろめたい気持ちに付け込み、巧みに言いくるめて無残に命を奪った被告を絶対に許さない」「苦しみもがいて絶命してほしい」などと峻烈な処罰感情を示した。

 女子生徒が事件被害者と確定した日は、くしくも16歳の誕生日だったという。「3年たった今も気持ちの整理ができていない」「楽しかった日常を返してほしい」と訴えた。読み上げる女性検察官が涙ぐむ場面もあり、被告はうつむいて聞いていた。

 被告人質問では、被告が謝罪の気持ちを抱く被害者4人の一人に生徒を挙げ、「命を簡単に奪ってしまい申し訳ありませんでした。おとなしく罪を認めて罰を受けます」と謝罪。その上で「極刑(死刑)になると思うが、控訴しない」と述べた。

 26日は最終論告求刑が行われる。判決は12月15日。


◎意見陳述要旨

 犠牲となった邑楽郡の女子高校生=当時(15)=の両親が示した意見陳述の要旨は次の通り。

 平成29年11月9日は娘の16歳の誕生日だったが、聞いた言葉は「お誕生日おめでとう」ではなく「お悔やみ申し上げます」だった。この日、被害者9人の一人が娘と確定した。覚悟はしていたが、つらかった。

 被告が遺体をバラバラにし、大半を骨にしたためDNA鑑定に時間がかかり、家に連れて帰れたのは翌年4月。最期に体を抱きしめてあげることもできず、3年たった今も気持ちの整理が出来ていない。

 娘の自殺願望が本心だったとは思えない。事件当日に「死にたい」という気持ちが消えていたことを裁判で知った。死のうと思っていたら駅で4000円もチャージしただろうか。始業式の朝、課題提出が難しく、その場しのぎで逃げたい気持ちになってしまったのだと思う。まだスマホで連絡が取れていた時に「何も問題ないから帰っておいで」と言ってあげていたらと、行方不明になった日のことを繰り返し思い返す。

 被告への怒りも日を追うごとに強まっている。娘が携帯電話を駅に隠したのは、死ぬつもりがなかったから。帰りたくても強く言えず、学校を休んだ後ろめたい気持ちに付け込み、巧みに言いくるめて無残に命を奪った被告を絶対に許さない。娘と一緒に笑ったり、テレビを見たり、何でもなかったけど、楽しかった日常を返してほしい。生きていれば大学生になっていたが、娘の時間は高校1年で止まっている。

 被告の自己中心的な供述には辟易へきえきする。マスコミの取材で金を受け取り、菓子や弁当を買ったと意気揚々と話していると知り、すさまじい怒りと悔しさが込み上げている。

 弁護側は承諾殺人と主張しているが、間違いなく単なる殺人。娘ははっきりと生きていくという結論を出していた。疑いようのない殺人事件だ。被告には死刑さえも生ぬるい。命絶たれるその瞬間まで苦しみもがいて絶命してほしい。

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