《みんなの疑問 特別取材班》後を絶たないごみ問題 どう改善?
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カラスに荒らされるごみ集積所。生ごみが散乱し腐臭が漂う=太田市

 「地域のごみ問題は改善できないのか」。こんな内容の相談が「みんなの疑問 特別取材班」に寄せられた。ごみ集積所がカラスに荒らされたり、ごみ捨てのマナーが守られなかったりする光景は、多くの人が目にするはずだ。群馬県内で取材を進めると、ごみ問題に悩む住民や清掃業者、さまざまな対策に取り組む行政、地域の姿が見えてきた。

◎カラスに荒らされる集積所 腐臭に顔しかめ
 太田市東部、ある地域の可燃ごみの日。歩道のごみ集積所がカラスに荒らされていた。生ごみが散乱し腐臭が漂う。近くの70代の主婦は「この辺りは被害が多い。景観にも良くない」と顔をしかめる。

 市内のごみ集積所は約9000カ所。可燃ごみの場合、市の委託業者6社が一日かけて回収する。その間にカラスが狙う。「散らかった生ごみの清掃は回収よりよほど大変」。委託業者の男性従業員はため息をつく。

 被害は数十カ所で発生しているとみられる。防鳥ネットをかぶせるだけのごみ集積所や、夜間の放置が多い集積所が狙われる。

■防鳥ネット配布
 各自治会は、カラス対策で市の補助事業を活用し、ごみ集積所に頑丈な柵や囲いの設置を進めている。被害は減るが、場所によっては「道路脇の集積所は交通事故につながる恐れもあり設置が難しい」といった課題もある。

 市は支援策の一環で防鳥ネットを無料で配布。カラスが狙う生ごみの削減に向け、コンポスターなどの購入費も一部助成している。

 東京都三鷹市のように、カラスが眠る夜間早朝の時間帯にごみを回収することで、被害を減らせた自治体もある。ただ、夜間の人件費確保や騒音対策などが課題という。

 自宅前がごみ集積所になっている前橋市西部の70代男性は、収集日や分別などのルールが守られない「違反ごみ」に悩む。集積所を共用する近くのアパートの入居者らが捨てているとみられる。男性は、アパートに集積所を設けてもらい、利用を別々にすることで問題を解決したいと訴える。

■戸別訪問し収集
 ただ、同市はごみ集積所の設置に関する明確な基準がない。自治体によっては集合住宅に集積所を設けるよう要領で定めたり、マンションなどへの設置を指導要綱で推奨したりしているが、いずれも「私有地に設置を強制するのは難しい」(同市)のが現状だ。

 同市では、外国人のごみ出しを巡る問題解決に積極的に取り組む。分別などのトラブルが発生した場合、職員が戸別訪問をしたり、当事者が通う日本語学校に出向いて指導したりする。1人暮らしの高齢者や障害者ら、ごみ出しが困難な市民に対し、戸別に収集する「こんにちは収集」も取り入れている。

 ごみ問題に詳しい高崎経済大の中村匡克教授は「ごみ問題は生活の豊かさの問題と深い関係にある」として、解決には「再利用や再資源化といった循環型の仕組みを構築する必要がある」と強調する。また、問題改善策が住民の負担を伴う場合、選挙時の議論が避けられる傾向にあるとし、「有効な政策が見えていても実現が難しい原因は、むしろこのあたりにあるのではないか」と指摘する。(中村穂高)

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