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群馬県中之条町のリンゴ園で今年、カメムシによる被害が多発し、多くの農園で収穫量が減り、半分以上が規格外になる事態となっている。スギ花粉が例年より少なかったためカメムシの餌となる「球果」が減り、果樹園に餌を求めて飛来したことが主因。長雨と乾燥の影響で小玉が多いことも重なった。被害を受けた農家は、見栄えが重要な歳暮向けの需要に応じ切れず、直売所で例年の半値ほどでの販売を余儀なくされている。
「今年は売れる物がなくてすみません」。金井農園の金井国博さん(50)は、贈り物として毎年注文してくれる顧客に電話口で申し訳なさそうに断った。町内7カ所計1.4ヘクタールで栽培する。晩生種「ふじ」の収穫を10日ごろまで続ける予定だが、採れば採るほどカメムシの食害に遭った、黒ずんだ跡が残る果実ばかり。収量は平年の8割近くに落ち込み、贈答用は2割にとどまりそうだという。
カメムシの発生は今年、全県的に多く、県は7月、「チャバネアオカメムシ」の発生注意報を出した。中でも同町折田に設けた害虫の発生状況を調べるフェロモントラップでは、平年の5倍の1946匹(4~10月調査)を捕獲し、県内の他の6地点と比べて捕獲数が突出した。
県農業技術センターは「カメムシは7月になるとスギ、ヒノキ林に移り球果を餌に繁殖するが、球果が少ないと、果樹園に飛来し被害を及ぼす」と指摘している。県吾妻農業事務所の果樹担当者は「中之条のリンゴ園で被害が極端に多い理由ははっきりしないが、カメムシの生息地に近いことも要因ではないか」と推測する。
今年は小玉が多いことも農家を悩ませる。原因は夏場の天候。十分な日照が必要な7月は長雨による曇天が続き、果実の肥大につながる8月には乾燥続きだった。気象庁によると、中之条の7月の日照時間は平年の半分となる67.2時間。8月の降水量は76%減の52ミリだった。
同町のリンゴ園は四万温泉まで結ぶ街道沿いに直売所を出し、秋冬の風物詩になっている。成田果樹園の黒崎直生さん(53)は「いつもクリスマスくらいまで販売しているが、今年は15日まで売る物があるかどうか」と懸念する。安価で販売するカメムシ被害と小玉リンゴの売り場面積は例年以上に広いという。
町農林課は農家からの依頼を受け、規格外リンゴ販売用の店頭販促掲示物の作製に協力。同課は「弁当に向く、一口サイズをアピールしたい」とする。規格外品を「訳あり商品」として半値程度で販売する金井さんは「黒ずんだ跡を取り除けば問題なく食べられる。小玉でも味は良いので食べてもらえればうれしい」と話している。(関坂典生)