動物看護師 命を守る即戦力に 認定制度で技術向上
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犬の避妊手術の実習に臨む生徒ら=昨年12月下旬、前橋市

 「ピッピッピッ」「スー、スー、スー」。手術室に心電図と犬の呼吸のモニター音が響く―。昨年12月下旬、群馬動物専門学校(前橋市)の実習として、同校敷地内にある群馬夜間救急動物病院でトイプードルの避妊手術が行われた。生徒は手術台の上に横たわる犬の呼吸や表情に気を配りながら、桑原保光院長(62)の指示でメスを渡したり、全身麻酔や止血などを手伝った。

◎ペットショップ、ペットホテルなどでも活動

 家族同然に犬と接する人は少なくない。かけがえのない“家族”の命を守る職業の一つが「動物看護師」で、獣医師の診察や手術を補助するほか、血液検査、入院時の食事・健康管理と業務は多岐にわたる。飼い主の精神的ケアも重要な役割。豊富な知識が生かせる職場は動物病院をはじめ、ペットショップ、ペットホテルなど幅広い。

 ただ、職務規定の法整備が追い付いておらず、民間資格にとどまっていることが課題とされる。動物看護師の地位向上などを目的に、獣医師らで組織する一般財団法人「動物看護師統一認定機構」(東京都)は2012年度から統一試験を実施。合格者を「認定動物看護師」とする制度で、2万人近い登録者がいる。受験には機構指定の大学や専門学校で必要なカリキュラムを修了する必要がある。

 群馬動物専門学校も機構指定の養成校。動物看護師コースは獣医師らの指導により、医療やしつけなどを学ぶ。実習では、同校と提携する「世界の名犬牧場」(同市)から犬を提供してもらい、群馬夜間救急動物病院の設備を使う。

 昨年末の実習で、桑原院長は手術の手順や状況を説明し、縫合方法も丁寧に教えた。生徒が補助作業をしながら行方を見守る中、約30分で終了した。

 「現場で即戦力として活躍できる看護師を育て上げるのが使命」と話す桑原院長。生徒には、手術の現場を体験する実習を通じて仕事の重要性を改めて考え、知識と技術を高めてほしいと願う。「看護師のレベルが上がれば、救命率は上がる」と力を込める。

 愛犬が体調を崩した際、動物病院で親身に相談に乗ってもらったことが、動物看護師を目指すきっかけになったという同校2年の小野里菜々さん(20)。県内の動物病院への就職が決まっており、「飼い主の不安を取り除けるような看護師になりたい」と口元を引き締めた。

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