嬬恋村が人権宣言条例を制定 差別や偏見の根絶へ一丸
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 新型コロナウイルス感染者や医療従事者への差別や偏見が全国的に問題となる中、群馬県嬬恋村は7日、新型コロナを巡る当事者に加え、障害者や女性、高齢者ら全ての人の人権尊重を掲げる村人権宣言条例を制定した。会員制交流サイト(SNS)を通じた誹謗ひぼう中傷をはじめとするいじめやハラスメントの根絶、性的少数者(LGBT)の尊重なども包括的に条文化し、「新たな人権の確立と擁護」をうたう。外国人にも理解しやすいよう全文に英訳を付け、村一丸となって人権擁護を図る。

 条例では、基本的人権、個人の尊重、平等原則、参政権、生存権、教育権、環境権の七つの権利をそれぞれ条文化。具体的な取り組みとして、新型コロナの感染者やその家族らに対する誹謗中傷や差別の根絶、インターネットやSNSを悪用した人権侵害の排除、性的指向・性自認の尊重、犯罪被害者とその家族の人権への配慮など全11項目を明文化した。

 条文は農業実習生などとして訪れる外国人向けや、教材として学校での利活用を想定して全文に英訳を併記し、「ですます調」の平易な文章で記した。

 条例は、インターネットの普及やコロナ禍などにより多様化する現代社会について、「新しい時代を迎えている」と位置付ける。顕在化する差別や偏見などの問題について、村民に再確認してもらい、思いやりのある地域社会を目指そうと制定した。

 熊川栄村長は「人間の尊厳に関わる基礎的な事項を改めて明文化することで、村全体で人権尊重に取り組んでいきたいとの思いを示した。人権意識普及の基礎としたい」と話した。

 村では今後、条文を冊子にまとめ、村内小中学校で授業に利活用してもらうことなどを検討している。このため冊子には、子どもたちにも理解しやすいよう全文に振り仮名を付ける。

 同日開かれた村議会本会議で、村が提案した条例案が可決された。世界人権デーに合わせ、10日に公布する。

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