緊急避妊薬 必要時に入手を 高まる声 オンライン診療処方開始
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11月には県薬剤師会が研修を開催、薬剤師が緊急避妊薬の調剤について学んだ(11月2日付より)

 望まない妊娠を避けるため女性が服用する「緊急避妊薬」を巡り、入手しやすくするよう求める声が高まっている。新型コロナウイルス感染拡大を受け、不安を抱える女性から民間団体などへの相談が増加。入手するには医師の処方箋が必要となるが、群馬県内でもオンライン診療での処方開始を受け、群馬県薬剤師会による研修会が開かれるなど対応が徐々に進む。人工中絶や虐待の背景には望まない妊娠があるとされ、関係者は「女性の健康を守るための権利」だと訴えている。

◎医療機関行けず/心理的な負担… コロナで相談件数が増加
 「緊急避妊薬は女性の健康、人生に関わる問題。必要な人が適切な支援を受けられることが大切」。性に関する知識の普及に取り組むNPO法人ピルコン(東京都)の染矢明日香理事長は11月中旬のオンラインイベントで、こう訴えた。

 染矢さんは2年ほど前から緊急避妊薬のオンライン診療対応など、アクセス改善に向けて活動。市民団体の共同代表として、緊急避妊薬を医師の処方なしで薬局で購入できるよう国に要望書を提出した。

 新型コロナ感染拡大を受け、同法人には妊娠・避妊に関する10代からの相談がこれまでの2倍に増えた。イベントを主催した性教育コミュニティー「kokoro color」代表で、県内外で性教育活動を行う薪野聡さんにも妊娠を心配する相談があったという。県助産師会が運営する相談窓口「ぐんま妊娠SOS」にも「仕事がなくなり中絶費用が心配」といった相談が寄せられた。

 緊急避妊薬は性交後72時間以内の服用により高い確率で妊娠を防ぎ、海外の多くでは医師の診療なしで薬局で購入できるとされる。国内でも4月からはオンライン診療での処方条件が緩和され、県薬剤師会は11月上旬に研修会を実施。薬剤師約100人が産婦人科医らの指導の下、調剤や患者対応について学んだ。

 現状に即した対応が徐々に進む一方、課題は多い。染矢さんらによると、性交後できるだけ早く服用することが求められるが、週末などで医療機関に行けなかったり、心理的な負担から受診をためらったりするケースがある。県内の助産師も「使いたい時に使えないという声を聞く」と明かす。

 性教育の充実も求められている。薪野さんは「インターネットに頼りがちだが、性に関する正しい情報にアクセスしにくいのが現状」と指摘する。講演では妊娠をしたら出産か中絶か選ばなければいけないと伝えており、「緊急避妊薬も含めた避妊、出産、中絶を選べることが女性の権利につながる」と訴えた。

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