新型コロナ 群馬で病床稼働率 警戒水位に 全国上位の60%超
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 新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる群馬県内病床の稼働率が高止まりしている。21日に60%を超え、以降もその前後で推移。感染急拡大に加え、重症化が懸念される高齢者らの多い福祉施設や病院でのクラスター(感染者集団)の続発も要因となっている。通常医療への影響を考慮すると、群馬県が確保した335床からの上積みは難しいとみられ、世代を問わず感染を抑え込むことが一層重要になる。

◎クラスターが続発 陽性判明が急増
 群馬県感染症危機管理室によると、感染の急拡大が始まって間もない11月20日の稼働率は14.2%で、その後上昇を続けて今月15日に50%を超え、政府の対策分科会の指標で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)に到達した。厚生労働省の23日時点の集計で、50%を超えていたのは7都道府県で、群馬は大阪(66.9%)、兵庫(61.9%)に続く61.8%だった。28日夜時点では57.0%となっている。

 感染拡大を受け、県は軽症者らが宿泊する2棟目のホテルの運用を15日に開始し、ホテル療養の部屋数は倍以上の計396室となった。ただ、12月に入ってからは、基礎疾患を持っている利用者が多い福祉施設や病院でクラスターが相次いで発生。これらの感染者はホテル療養では対応できず、入院となるケースが多い。

 県の集計では、12月は福祉施設7件、病院3件でクラスターが発生。計10件で28日までに136人の感染が判明している。県全体では今月、980人余りの感染が判明し、これまでにないほど急激に感染者が増えている。入院が必要となる高齢者らの感染の増加が、県内の病床稼働率を押し上げているとみられる。

 人口が同規模の栃木県は313床を確保し、23日時点の稼働率は44.4%だった。群馬に比べ、感染者の増加ペースは緩やかで、クラスターの発生件数も少ない。

 病床稼働率の分母となる確保病床数は都道府県ごとに異なる。日本医師会の釜萢敏常任理事(高崎市)は「群馬は(医療者の実際の配置を想定して)現実に即した数を出しているため、希望的数字を出している都道府県に比べて高い値が出やすい」と指摘した上で、「新規感染者は増え続けており、いずれにしても警戒が必要」としている。

 県はさらなる感染拡大に備え確保病床の上積みも検討するが、医療機関からこれ以上の協力を取り付けるのは難しいという。病床稼働率の上昇を抑え、医療の逼迫ひっぱくを回避するには県全体でさらなる感染防止が必要になる。県感染症危機管理室は「クラスターを発生させないよう、一人一人がマスク着用や手洗いなどの対策を改めて徹底してほしい」としている。

◎健康観察の高齢者1人 容体急変し死亡
 新型コロナウイルス感染症で、群馬県と前橋、高崎両市は28日、新たに5人の死亡が確認され、検査では10歳未満から90代までの男女21人の陽性が判明したと発表した。死亡した5人のうち1人は、自宅での健康観察中に容体が急変した後に死亡した。県内での死者は計40人となり、感染確認は累計2193人となった。

 群馬県によると、健康観察中に死亡したのは県内在住の高齢者。別の感染者の濃厚接触者として検査し、陽性が判明した。その時点で症状の程度などが基準を満たしていたため、入院やホテル療養を行わなかった。

 基礎疾患があったことなどから保健所が毎日、健康観察を行っていたが、25日に本人から容体が急に悪化したとの連絡があり、保健所が救急車を手配。医療機関への搬送後、死亡が確認された。

 死亡した他の4人はいずれも県内在住の70~90代の男女。4人とも基礎疾患があった。

 既に発生が確認されているクラスター(感染者集団)関連では、安中市の通所リハビリ事業所で新たに利用者1人の陽性が判明、計9人となった。館林保健所管内(館林市、邑楽郡)の特別養護老人ホーム(特養)では職員3人の陽性が判明、計20人となった。

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