介護施設職員の高齢者虐待 相談・通報は45件 群馬県内19年度
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 2019年度の群馬県内で、介護事業所の職員による高齢者への虐待が8件認定され、自治体への相談・通報は45件だったことが、県のまとめで1日までに分かった。いずれも前年度を上回り、虐待認定件数は過去2番目に多く、相談・通報件数は過去最多だった。県は虐待防止への意識の高まりが背景にあるとみており、職員向け研修のさらなる充実などに取り組むとしている。

 県地域包括ケア推進室によると、前年度からは虐待認定が3件増、相談・通報は21件増だった。

 虐待認定8件で9人が被害に遭った。うち8人は特別養護老人ホーム(特養)にも入所可能な要介護3~5で、介護度が中程度以上の高齢者への虐待が大半を占めた。複数該当するケースもある虐待の種類は、暴力や拘束などの身体的虐待が9件と最も多く、他は脅しや嫌がらせなどの心理的虐待が2件だった。

 施設別では、特養と認知症高齢者グループホームが最多のそれぞれ2件、介護老人保健施設や住宅型有料老人ホームなど4施設が各1件だった。

 相談・通報件数は緩やかに右肩上がりの状況が続いていたが、前年度から大きく増加。増加要因について、推進室は明確な理由は分からないとしつつ、「虐待防止の意識が浸透したり、相談しやすい環境が整ったりしたためではないか」とみている。

 家族らによる虐待は前年度とほぼ変わらない129件が認定され、1人が死亡に至った。相談・通報は51件増の293件だった。

 虐待の防止に向け、施設職員のストレス軽減や怒りの感情のコントロールが重要となり、家庭では早期発見につながる地域のネットワーク形成が求められる。推進室は「講座などを通じて地道に取り組んでいきたい」としている。

 全国の状況について、厚生労働省は介護事業所の職員による虐待認定が前年度比3.7%増の644件となり、過去最多を更新したと発表した。相談・通報件数も3.7%増の2267件だった。

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