災害時の情報スマホで共有 被害や避難所を集約し公開 嬬恋村
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 災害に備え、群馬県嬬恋村は年度内にも、村内の被災状況や避難所の開設状況などの情報を誰でもスマートフォンから確認できる情報共有システムを導入する。昨年の台風で大きな被害を受けたことや火山活動が続く浅間山を抱えていることなどを背景に、有事には役場職員や住民から寄せられた情報を地図上に集約して発信し、緊急時の職員間の情報共有や住民への迅速な情報周知に役立てる。より強固な防災体制を整え、安心して暮らせる地域の実現を目指す。

 導入するシステムでは、道路の崩落や土砂の流入などによる通行止め、避難所の開設・混雑状況、立ち入り規制区域など、さまざまな情報を集約するデータベースを構築する。寄せられた情報を職員が精査した上で、地図上に落とし込んで公開する。

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」の専用アカウントから、誰でも情報を閲覧できるようにする。避難所の最新情報や避難所までの経路を簡単に確認できるようにすることで、住民のスムーズな避難につなげる。

 同アカウントを使えば、役場職員だけでなく住民自身も、近隣の被災情報を写真と共に送信することができる。住民からの情報を精査し共有することで、従来よりも正確で素早い被災状況の把握や、避難が難しい高齢者への迅速な支援が期待される。

 災害時以外では、新型コロナウイルス関連の情報や、イノシシやクマの出没なども発信する予定。気象情報や火山の活動状況なども公開し、住民だけでなく観光客への周知にも役立てる。

 システムの開発はIT企業のITbook(東京都)が担当。住民へのアンケートや現状分析などで前橋工科大(前橋市)が協力する。事業費は約3千万円。総務省「データ利活用型スマートシティ推進事業」の補助金を一部活用する。

 同村は、2019年10月の台風19号により国道が崩落するなど村内各地で甚大な被害を受けた。役場では発生当初から対策本部を立ち上げて対応に当たったが、被害が広範囲に及んだこともあり、職員間の情報共有不足や被害把握の遅れ、各避難所の収容状況を正確に把握できないなどの課題が浮き彫りとなった。

 村の担当者は「台風の反省を生かし、災害や避難状況を素早く把握することで、円滑な対応につなげたい。また災害時の広域連携を視野に入れて、周辺自治体でも活用できるようなシステムを構築したい」と話している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事