《コロナ現場発》病児保育の運営が苦境 利用控えや受け入れ制限
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予防衣とゴーグル姿で子どもに対応する病児保育室かめさんのスタッフ=高崎市

 就労する保護者に代わり、病気の発症時や回復期の子どもを預かる病児保育が新型コロナウイルス感染拡大で苦境に立っている。施設の利用控えや感染対策に伴う受け入れ制限が影響し、利用者は激減。もともと採算の確保が厳しく補助金への依存が大きい上、感染リスクと隣り合わせの運営に不安の声が漏れる。

◎当日キャンセルで利用者数不透明 補助を受けても赤字に
 群馬県高崎市の小児科、佐藤医院が併設する「病児保育室かめさん」。新型コロナ感染予防のため、保育士や看護師は常時、医療用の予防衣とゴーグル、マスクを着けて子どもを世話する。佐藤悦子施設長は「受け入れの可否は、症状などに応じて院長が判断する。医院と同じ建物内にあるので神経質にならざるを得ない」と話す。

 定員は5人だが、現在は1部屋当たり1人に制限しており最大3人。利用者は前年から7割ほど減っている。安心して利用してもらえるよう、職員は会員制交流サイト(SNS)の「インスタグラム」で消毒や検温などの様子を発信する。

 館林市のこやなぎ小児科が併設する「病児保育室ぱんだ」は昨年12月15日から、発熱がある子どもは「インフルエンザ感染症」など新型コロナ以外の疾病が確定している場合に限って受け入れる方針に切り替えた。「風邪とみられる」などと診断された場合は、新型コロナの可能性を排除しきれないためだ。担当者は「なるべく預かりたいが、職員や子ども同士の感染を防がなくてはいけない」と説明する。

 病児保育は急な病気に備える施設のため、当日キャンセルも多く利用者数が読みにくい。多くの施設は国と県、市町村の補助金を受けても赤字の運営を余儀なくされる。厚生労働省は感染拡大後、新型コロナの影響で利用者が激減しても例年並みに補助する特例措置を講じているが、措置がいつまで続くのかは不透明な状況だ。

 渋川市の北毛病院が併設する「みつばち保育園」は、病院職員の利用が多かったため前年比3割減程度にとどまっているが、「補助金の特例がなくなれば人件費を賄えなくなるのは間違いない」と不安を募らせる。

 民間企業が運営する太田市の「保育室あんじゅ」は、1日1人に受け入れを制限している。行政の補助金を受けておらず、利用者の減少は他の施設以上に大打撃となる。「雇用調整助成金に頼りながら何とかやっている。感染予防のための人数制限と、雇用維持の両立が難しい」と厳しい内情を明かした。(江原昌子)

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