国の男女共同参画基本計画 「別姓」削除に賛否 県内関係者
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 政府が昨年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画。焦点となった選択的夫婦別姓の導入は「別姓」の文言自体が削除されたほか、反対派の主張に沿った記述が盛り込まれた。事実婚や旧姓使用を続ける群馬県内関係者からは「これから結婚する人のために法制化を進めて」などの声が上がる一方、「夫婦同姓と別姓が社会に混在すべきでない」と慎重な議論を求める声もある。

 当初の計画案は導入に前向きな表現だったが、自民党の反対派に配慮して大幅に修正された。自身が事実婚である斎藤まどか群馬大共同教育学部教授(61)は「日本以外の国は別姓を認めている。家族の絆が失われる、子どもがかわいそうといった反対派の主張は当たらない」と指摘する。

 旧姓使用に限界を感じて事実婚を選んだといい、配偶者控除が受けられないといった法制上の不利益を指摘する。「名字が変わるとアイデンティティーが揺らぐと感じる人もいる。『選択的』なのだから、否定する理由はないはず」と語った。

 法制化を求める市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」のメンバーで元教員の林恵津子さん(63)=前橋市=は、本県選出の国会議員や県議らへの働き掛けを続けてきた。自身は旧姓で活動する。「どちらか希望する姓を名乗るというシンプルな制度。議会や国民の間で議論を重ね、法制化を進めていけると信じている」とした。

 仕事で旧姓使用するフリーアナウンサーの佐藤由美子さん(46)=高崎市=は「これから結婚する人のために選択的夫婦別姓を導入するとともに、銀行口座など旧姓使用の拡大を進めてほしい」と語った。

 一方、保守系団体の「日本会議」は一貫して選択的夫婦別姓に反対してきた。同県本部の金谷美保(よしやす)さん(59)は「一つの社会に夫婦同姓と別姓が混在することは、姓が持つファミリーネームとしての機能を著しく低下させる」と指摘し、「名字の変更によって生じる社会生活上の不便を解消するため、旧姓使用ができる機会を増やすのが望ましい」とした。

 【選択的夫婦別姓】夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれ結婚前の氏(姓)を使うことを認める制度。現在の民法では、結婚すると夫または妻が必ず氏を改めなければならない。実際にはほとんど女性が改姓しているが、結婚後も働き続ける女性が増え、生活に支障が出るとの声がある。内閣府の2017年世論調査では賛成が42.5%で、反対の29.3%を上回った。昨年10月、60歳未満の成人男女を対象に行われたインターネット調査では、70.6%が制度導入に理解を示した。

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