国の責任、再認定するか焦点 原発訴訟控訴審きょう判決 東京高裁
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 福島第1原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民らが国と東京電力に損害賠償を求めた民事訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁で言い渡される。全国で初めて国の賠償責任を認めた2017年の一審前橋地裁判決から4年。東京高裁が国の賠償責任を再び認定するかが注目される。

 争点は、02年に国が策定した地震予測「長期評価」の信頼性など。原告側は長期評価の公表によって遅くとも同年末には原発の敷地の高さを超える巨大津波の襲来を予測可能だったと訴え、国側と東電側は予見可能性を否定する。

 控訴審では「長期評価」を踏まえて同年8月に国が指示した津波試算に東電が難色を示した際の国の対応についても議論が進んだ。国の責任論について一審判決より踏み込んだ司法判断が示される可能性がある。

 今回の判決は、原発事故避難者による国家賠償請求訴訟控訴審としては昨年9月の仙台高裁判決に続く2例目で、東京高裁では初。仙台高裁判決は「不誠実ともいえる東電の報告を唯々諾々と受け入れ(中略)規制当局に期待される役割を果たさなかった」として国の賠償責任を認め、原告側弁護団は「東京高裁判決がそれに続けば、各地の集団訴訟への影響は絶大」とみている。

 また、一審前橋地裁判決で慰謝料が認められたのは原告137人に対し62人と半数以下で、認定総額も請求額の約2%にとどまった。控訴審では原告側が「被害の実態に見合った賠償を」と訴え、国側は自主避難者の損害認定について「(その地域に住む)住民の心情を害し(中略)わが国の国土に対する不当な評価となるもので容認できない」としている。

 原告側弁護団によると、控訴審での原告は37世帯91人で、うち61人が現在も福島県外に暮らす。一審を含め、これまでに原告4人が他界している。

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