《NEWSインサイド》炭水化物なまち桐生 業種超えて地域再生
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桐生市の中心商店街で開かれた「桐生もりもりフェス」=昨年11月
桐生もりもりフェスでグランプリに輝いたジューザバーガーの「カーボフォールバーガー」

 群馬県桐生市には、ひもかわやソースカツ丼、焼きまんじゅうといった炭水化物を使った食べ物が多い。この共通項に着目し、飲食店主らを中心とした市民団体が「食」をテーマに町おこしを進めている。自慢の味を「デカ盛」(1.8人前以上)にした新メニューを開発したり、会員制交流サイト(SNS)でPRしたりと工夫を凝らす。人口減やコロナ禍で地域経済が疲弊する中、異業種を巻き込んだ「オール桐生」で奮闘している。(千明良孝)

■イベント開催■

 チキンを挟みながら高く積み重ねたハニートースト、大皿いっぱいのオムライスとカツ―。市民団体の「『炭水化物なまち桐生』実行委員会」が開設したホームページには、「デカ盛」メニューの写真がずらりと並ぶ。市内に拠点を置く事業者が考案した25品は見ているだけで満腹感を得られる。

 「炭水化物なまち桐生」と題した取り組みは、同市で創業し、たこ焼き店チェーン「築地銀だこ」などを展開するホットランド(東京)の佐瀬守男社長の呼び掛けで始まった。市内で炭水化物を使ったメニューを提供する店が多いことに注目し、おいしい料理をPRしようと考えた。

 市内の飲食店主らが協力して昨年10月に同実行委を設立。飲食店関連の団体による連携だけではなく、団体に属していない店舗にも広く声を掛けた。翌月には「デカ盛」と「ちょい盛」(0.7人前以下)のメニューを販売するイベント「桐生もりもりフェス」を中心商店街で初めて開き、想定を上回る1000人近い来場者を集めた。

■団結し奮闘■
 「デカ盛」というインパクトの大きさで関心を集めたが、取り組みをいかに地域に根付かせ、継続していけるかが課題だ。「一過性のものにせず続けていくことが大事。イベントを開きながら会員を増やしたい」。同実行委で会長を務める一人で、桐生麺類商組合の大川順司組合長(藤屋第一支店店主)は意気込む。

 同市は、有識者でつくる日本創成会議が2014年に発表した「消滅可能性都市」の一つで、人口減少が続き、中心商店街の空き店舗も目立つ。追い打ちを掛けるように新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食業界は苦境にある。地域一丸となって逆境を乗り越える団結力が求められている。

 桐生市の市民団体「『炭水化物なまち桐生』実行委員会」が昨年11月に開いた「桐生もりもりフェス」。市内に拠点を置く15事業者が「デカ盛」(1.8人前以上)メニューを初めて企画した。来場者による人気投票でグランプリに輝いたのはジューザバーガー(同市本町)が販売した「カーボフォールバーガー」だ。

 同商品は牛肉のパテと、時間をかけて調理した豚肉をバンズで挟み、皿からあふれるほどのマカロニを組み合わせた。新見香織店長は「新聞などで取り上げていただき、新規のお客さまが増えた」と話す。

 「炭水化物なまち桐生」実行委員会 桐生市の多彩な食を活用した話題性の創出により、交流人口や関係人口の増加につなげることを目指して結成。市内に拠点がある飲食店を中心に、かばん店や花店、宿泊施設など約50店舗が加盟する。会長を2人置く。

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