犠牲者の鎮魂の祈り 本白根山噴火3年 草津温泉スキー場で献花
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献花台に花を手向けるスキー場関係者=23日午前

 2018年1月、訓練中だった自衛隊員ら12人が死傷した群馬県の草津白根山・本白根山(草津町、2171メートル)の噴火から23日で3年を迎えた。火山活動は噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)を維持して小康を保ち、風評もほぼ収まった。山麓にある草津温泉スキー場には同日、献花台が設けられ、スキー場の関係者が犠牲者の冥福と火山活動の沈静化を祈った。

■コース転換
 献花台はレストハウス近くのゲレンデの一角に設けられた。スキー場の幹部職員7人が一人ずつ献花台に花を手向けた後、噴火発生時刻の午前10時2分に合わせ、本白根山の方角に向かって1分間の黙とうをささげた。

 噴火後、同スキー場では死傷者が出た上級者向けの山頂ゲレンデを閉鎖し、噴石の当たった白根火山ロープウエーを廃止。「草津国際スキー場」から現在の名称に変更し、初心者向けの新たなコースや夏季でも楽しめる大型遊具をオープンさせるなど「初心者や家族連れが楽しむスキー場」への転換を進め、客足の回復を図った。

 スキー場を運営する草津観光公社の長井英二社長は「噴火による影響はほとんど感じられなくなった。草津に訪れる人にとって、噴火は既に過去のことになっているようだ」と話す。

 噴火直後は宿泊のキャンセルなどの風評被害を受けた温泉街でも、噴火から翌年の19年度には町への総入り込み客数が噴火前の水準を上回り、過去最多となる327万人を記録。噴火から3年が経過した現在、その影響は全く見られないという。

■コロナで苦境
 一方、火山防災体制では、気象庁がそれまで「草津白根山」として一体的に発表していた噴火警戒レベルを、噴火後の18年3月から「本白根山」と湯釜のある「白根山」の二つに分けて運用を開始。19年には同庁や地元自治体などでつくる草津白根山防災会議協議会で、噴火時の対応を示したハザードマップや避難計画が初めて策定された。

 同協議会長を務める黒岩信忠草津町長は「突然の災害によって犠牲となった自衛官にお悔やみ申し上げる。今後も気象庁や大学と連携しながら、安全対策を徹底していきたい」とコメントした。

 噴火から立ち直ったスキー場や温泉街だが、新たに新型コロナウイルス感染拡大で苦境に立つ。同スキー場では今月、職員3人の感染が判明し、営業中止を余儀なくされている。入り込みは年末年始にかけては前年の7割程度となったが、臨時休業によって1月は4割ほどまで落ち込みそうだという。

 長井社長は「再びオープンしても現在の状況では客足は期待できない。一日も早くコロナが収束してほしい」と願った。

 【メモ】 本白根山の噴火は18年1月23日午前10時2分ごろ発生。草津国際スキー場(現草津温泉スキー場)で訓練中だった陸上自衛隊員の伊沢隆行さん=当時(49)=が噴石により死亡、スキー客を含む11人が重軽傷を負った。マグマの熱で地下水が高温高圧の蒸気となって噴き出す水蒸気噴火の可能性が高く、本白根山の鏡池の北側に複数の噴火口が確認された。19年4月に噴火警戒レベルが1に引き下げられている。

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