《現場発》自転車ヘルメット 4月から努力義務に まず大人が範を
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群馬県庁に自転車で出勤する県職員ら。ヘルメットを着けている人の姿はまばらだ=15日午前8時20分ごろ

 交通事故の被害軽減を目的に、自転車に乗る際のヘルメット着用を県民の努力義務とする改正群馬県交通安全条例が4月に施行される。昨年10月に公布され、一定の周知期間が設けられているが、着用している大人の姿はまだ少ない。県民に呼び掛ける側の県職員の着用状況を調べ、努力義務に対する県民の意識を探った。県民からは「子どもたちに着けさせるなら、大人が手本を示さなければ」という声も上がっている。(藤田賢)

◎県庁駐輪場 着用率は1割未満 理由はさまざま
 今月中旬、県職員の出勤時間に合わせ、前橋市の群馬県庁に併設された駐輪場で午前8時から30分間、自転車を止めた人数をカウントした。365人のうちヘルメット着用者は31人で、着用率は8.5%にとどまった。ロードバイクなどスピードの出やすい自転車でも、着用者は少なかった。

 県職員に着用しない理由を尋ねると、「サイズの合うものを見つけられていない」(50代男性)、「髪形が崩れるので抵抗がある。4月からも着けるか迷う」(20代女性)などさまざま。「寒くてフードをかぶるため装着できない」(20代男性)との声もあった。

 一方、ヘルメットを着けていた60代男性は「自転車はスピードが出るし、通学中の高校生が亡くなる事故もあったので」と話した。

 県民の意識を探るため、JR前橋、高崎両駅周辺で、自転車に乗る小学生から80代までの計50人に、ヘルメット着用に対する考えを尋ねた。

 条例施行後も着用しないと答えたのは29人。日常的に着用しているのが5人、着ける方針が11人だった。5人が着用を検討するとした。着けたくないという80代男性は「近くの買い物くらいなら危険はない」とした一方で、前橋市内の高校1年の女子生徒は「大人が着けていなかったら、子どもにも着用する義務が伝わってこない」と回答した。

◎非着用者の致死率は2.4倍に…警察庁調べ
 警察庁によると、2014~19年の自転車乗車中の事故で、死者の6割は頭部のけがが致命傷だった。また、ヘルメット非着用者は着用者に比べて致死率が2.4倍高かった。県内では昨年、自転車乗車中に1714人が死傷したが、着用者は302人(17.6%)にとどまった。

 群馬県の中高生が自転車で通学中に交通事故に遭った確率が全国で最も高い状況が続き、解消すべき大きな課題となっている。

 県道路管理課は、自転車通勤する県職員のヘルメット着用率が1割程度にとどまっている認識があるといい、「県職員の意識改革が進んでいない」と受け止める。周知方法を模索し、全職員に県民の模範となる行動を期待したいとしている。

 県民には人気漫画を用いたポスターなどで着用の努力義務を呼び掛けており、担当者は「高校生をはじめ、県民全体が着用するようにしたい」と力を込める。

 群馬県警は県庁周辺で昨年12月から、自転車で通勤、通学する人に対し、交通ルール徹底の呼び掛けを強化。県警職員のヘルメット着用率が上がってきているという。清水元司交通安全対策統括官は「職員も自転車に乗るなら、ヘルメットを着けて県民の見本とならなければならない。県民全体の交通マナーを向上させ、事故の減少につなげたい」と話した。

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