遠隔操作でボッチャ 障害者の活動後押し 群馬大理工学部システム開発
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萩原さんから合図を受けて球をセットする岩下理事長(左)

 パラスポーツの「ボッチャ」を自宅にいながら楽しめるようにするため、群馬大学理工学部が遠隔操作でプレーできるシステムを開発した。移動が難しい障害者の活動の幅を広げられると期待がかかる。報道向けの発表会が22日、群馬県太田市の同大理工学部太田キャンパスで行われ、身体障害のある萩原やよいさん(16)=安中市=が同大の学生と試合を行った。

 ボッチャでは、プレーヤーの四肢に重度の障害がある場合、「リリーサー」と呼ばれる棒を使って球を転がすが、中には棒を扱うのが難しい障害者もいる。同大は2018年以降、より多くの人にプレーをしてもらうため、県ボッチャ協会(岩下浩明理事長)と連携し、スイッチを押すとゲートが開き、球を転がせる装置を開発してきた。

 日本ボッチャ協会は電子機械を使った投てきを認めていないが、県協会は主催大会での使用を認め、19年に萩原さんもこの装置を使って出場した。

 昨年3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大で練習や大会が軒並み中止となった。同大は自宅でもプレーをできないかと考え、昨秋、タブレット端末を利用して遠隔で投てきや勾配具の角度を操作できるシステムを開発した。補助役のサポーターに会場で球をセットしてもらえば、投てきまで全てを操作できる。

 この日の試合に、萩原さんは自宅から参加した。3台のカメラで球の位置を確認して作戦を決め、現地にいるサポーターに合図を出して球をセット、タブレット端末を操作してプレーした。久しぶりの試合という萩原さんは「楽しかった。(投げる位置を)合わせるのが難しかった」と語った。

 研究の中心となった中沢信明教授は「新型コロナに関係なく、移動が難しい障害者もいる。遠隔操作なら移動せずに全国の人と対戦でき、交流の輪が広がる」と説明。今後は、視線の動きといった微細な動きでも操作できる仕組みを作り、より多くの人が楽しめるように研究を進める方針。

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