桐生・黒保根で山林火災 きょう朝消火再開 広がる火に不安募る
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桐生市黒保根町の山林火災現場で、空中から消火活動を行う陸上自衛隊のヘリコプター=25日午後2時5分ごろ
桐生市黒保根町上田沢で発生した山林火災で消火活動に当たるヘリコプター=25日、共同
桐生市黒保根町の山林火災を受け、避難所の黒保根支所に身を寄せる住民=25日午後3時ごろ

 25日午前10時ごろ、群馬県桐生市黒保根町上田沢の山林で発生した火災は鎮火に至らないまま、日没のため同日の消火活動を終えた。桐生市消防本部は隣接する栃木県足利市の山林火災の応援に派遣していた9人を急きょ戻すなど消防隊員約50人を動員。上空からは陸上自衛隊や山梨県の防災ヘリ計3機が散水した。26日早朝に消火作業を再開する。足利市の火災で焼失拡大が伝えられる中での発生に、地元住民は不安を募らせている。

◎住民6人が黒保根支所に自主避難
 桐生市などによると、現場は市黒保根支所の北6キロほどの山中。消防が把握した時点で100平方メートル程度が燃えていたが、稜線りょうせんに沿って北方向に燃え広がったという。出火当時、群馬県内には乾燥注意報が発令され、黒保根では16日以降、降水は確認されていない。

 火災で同市の男性(79)が両脚と顔に中等症のやけどを負い、太田市内の病院に搬送された。群馬県警桐生署によると、男性がドラム缶でスギの葉を燃やしていた際、下草に火が燃え移ったとみられる。他にけが人や周辺の住宅への延焼は確認されていない。同署が詳しい出火原因を調べている。

 火元とみられるドラム缶の中には、燃えて炭化した木の枝や灰が残っていた。周辺の下草や木の幹など、山の上方向へ広がるようにして黒く焦げていた。

 出火直後に、この男性と一緒に消火活動を行った近くの住民(64)は自宅を出た時、立ち上る煙と男性の妻の叫ぶ声に気付いたという。慌てて駆け付け、かつて消防団員だったという男性の家にあった消火用ホースを使い、男性と共に放水。「一時は9割ほどは消火できたが、ホースが届かずに全ては消せなかった」と悔やんだ。

 消防団員で近くの建設業の男性(49)は、仕事用のヘルメットをかぶったまま現場に駆け付け、ポンプ車で消火活動に励んだ。「連絡を受けた時は、足利市の火事が広がったのかと思った」と驚いた様子だった。

 群馬県からの要請を受け、25日午前11時半ごろ、山梨県防災ヘリが到着し、空中から消火活動を開始。午後1時35分には陸上自衛隊第12旅団の大型ヘリ「CH-47」2機も現場に到着し、空中散水を始めた。陸自によると、燃え広がった場所を中心に水をまき、17回計90トンほどの水を散水した。

 同市は自主避難所を黒保根支所に開設。午後9時時点で、4世帯計6人が身を寄せた。夫婦で避難した近くの住民の男性(78)は「いざ避難を始めると混乱した。消防の人が頑張ってくれているので、自宅は大丈夫だと信じている」、別の住民の女性(78)は「家を出たら一面の煙。夫と両親の位牌いはいを置いてきてしまった。早く火が消えてほしい」と願っていた。


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