ジェンダー平等へ 国際女性デー〈上〉生活困窮 1人親、賃金格差にコロナ禍重く  
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ひとり親家庭の女性に食料を渡す丸茂さん

 8日は国連が定めた「国際女性デー」。ジェンダー平等を目指す動きは進む一方、女性を取り巻く問題が壁となって残る。生活困窮、ドメスティックバイオレンス(DV)、仕事と家庭の両立の三つの課題について、群馬県内の現状を追った。

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 「子どもの前で苦労を見せたくないが、気持ちが追い込まれて笑顔が減ってしまって…」。1歳から7歳までの3人を1人で育てる30代女性=前橋市=は、沈んだ口調で切り出した。

 女性は個人事業主のセラピストとして働いているが、新型コロナウイルスの影響で仕事が減り、収入は以前の3分の1程度に激減した。「離婚を選んだのは自分だから」と、元夫からの養育費や両親の援助を受けていない。貯金を切り崩してやりくりする日々で、出費を削るため、「外食はもちろん、お弁当すら買うのも控えている」という。

 会員制交流サイト(SNS)経由で子ども食堂や食材配布といった支援情報が発信されているが、「困っている家庭ほど情報にたどり着けない」と受け止める。「コロナが落ち着いたら、シングルマザー同士で集まる場をつくりたい。不安を吐き出すだけでも前向きになれる」と語った。

 国の調査によると、本県の全就業者のうち非正規就業者が占める割合(2017年)は男性が23%、女性59%。所定内給与の月額(19年)は男性31万円、女性23万円で、格差はこの10年間でほとんど縮まっていない。収入が不安定な子育て中の女性は、コロナ禍でより苦しい生活を強いられている。

 高校生と中学生の子どもを1人で育てる県内の女性は2月上旬、ラジオを聴いていた時に慌ててある連絡先を書き留めた。番組に出演していたのは、困窮者向けの支援事業を展開するみどの福祉会(高崎市)の丸茂ひろみさん(59)。中高生の制服の寄付を受け、希望者に提供する「制服バンク」の案内だった。

 女性は「子どもには習い事をさせたかったし、自由に進路を選ばせてあげたかった。でも我慢させることになった」。現在はパートとして働き、コロナ禍のあおりで勤務日が半分以下に減った。

 同会を訪れた女性はカップ麺や冷凍食品などを受け取り、「助かります」とほほ笑んだ。子どもの進学先の制服が寄付されれば、提供を受けるつもりだ。

 新型コロナの流行以降、同会には食料支援などの要望が相次いでいる。丸茂さんは「ひとり親世帯の貧困は今に始まったわけではなく、コロナで可視化されただけ。行政による自立支援など抜本的な対策が必要だ」と指摘する。

 【メモ】新型コロナウイルス感染拡大が女性に及ぼす影響について県が行った調査によると、20%が「収入が減った」、37%が「収入が減りそう」と回答。「正社員だったが解雇された」「非正規雇用から抜け出せない」「契約終了後に次の仕事に就けるか不安」などの意見が寄せられた。

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