ジェンダー平等へ 国際女性デー〈下〉両立 家事・育児 分担が必要
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家事や育児を担う時間の男女差はまだまだ大きい(写真と本文は関係ありません)

 主に女性が家事を担う家庭は65%、育児は49%―。県が昨年度行った調査で、家庭内では依然として女性の負担が大きい実態が明らかになった。子育て世代の女性の就業率が上昇する中、仕事と家庭の両立は喫緊の課題になっている。

 メーカーの技術職として働く女性(43)=高崎市=は中学生と小学生の息子2人を育てる。現在は出産前と同程度の業務量をこなし、夫と家事を分担することで両立できているが、「長男が生まれて職場に復帰した直後が一番大変だった」と振り返る。

 当時は育休後の女性が技術職に復帰したケースがなく、「妊娠した時、仕事を辞めることも考えた」。時短勤務で復帰したものの、子どもの急病で休みがちな日々。迷惑を掛けないよう別の部署の異動について上司に相談したが、「もう少しやってみてから考えよう」と励まされ、思い直したという。

 現在は、子育て中の女性社員が技術職や総合職で働く例が増え、社内の支援制度も充実してきた。「最初は思うように仕事ができず申し訳なかったが、職場に対する感謝に変わり、気持ちが楽になった。両立のために周りの理解は重要」と語った。

 子育てが一段落した女性が親の介護を担うことも少なくない。前橋市の整理収納アドバイザー、山口智子さん(51)は4年前から、同居する実父と共に実母(75)を在宅介護している。

 以前は「家事は妻がするべきだ」との両親の考えもあり、現在大学生の長男(19)の育児と家事をほぼ1人で担う“ワンオペ”だった。一時期パートとして働いていたが、子育てとの両立が難しく辞めざるを得なくなり、「自由が利く仕事を」と取得したのが整理収納アドバイザーの資格だった。

 実母が寝たきりになってから1年ほどは山口さんが家事も従来通り負担していた。「腰痛になっても無理して頑張り、家の中は大荒れ。雰囲気も悪くなった」。家族と家事を分担することにし、ワンオペ状態は解消された。ただ、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請で、買い物や食事作りなどの負担感は増したという。

 県男女共同参画推進委員会委員も務める山口さんは「家事や育児、介護を分担できているケースは少ない。女性がやるべきというものはない。一人で抱え込まず助けを求めて」と訴える。
(江原昌子、大野沙織が担当しました)

 【メモ】内閣府の調査によると、新型コロナ感染拡大を機に夫婦の家事・育児の役割分担に変化があったと回答したのは25.7%。夫または双方の役割が増えた家庭ではいずれも4割程度が「夫婦関係が良くなった」としたが、妻のみの役割が増えた家庭では2割未満にとどまった。

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