浅間山の噴火警戒レベル2 気象庁引き上げ「火山性地震が増加」 草津・白根山は1へ引き下げ  
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噴火警戒レベルが引き上げられた浅間山=23日正午ごろ(富岡市の一峰公園から撮影)

 気象庁は23日、浅間山(群馬、長野両県)について、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。山体の浅い部分を震源とする火山性地震が増加したことなどが理由だが、2月5日に1へと引き下げられたばかりだった。一方、両県にまたがる草津白根山の白根山(湯釜付近)については、2から1に引き下げると発表。白根山の噴火警戒レベルが1になるのは2018年9月以来、約2年半ぶり。

 同庁によると、浅間山では15日ごろから、山の西側でわずかな傾斜変動が確認された。火山性地震は20日が36回、21日が68回、22日が77回と増加し、23日も続いた。山頂火口から約2キロの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとし、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流への警戒を呼び掛けている。

 草津白根山については、湯釜付近を震源とする火山性地震が引き続き発生しているものの、1月下旬以降は低調に推移。火山性微動も観測されていないことなどから、火山活動が静穏時の状態に戻る傾向にあると判断した。一方、火山活動は中長期的に活発な状態にあり、火口から約500メートルの範囲で、ごく小規模な火山灰の噴出の可能性があるとしている。

 草津白根山を巡っては、18年1月の本白根山噴火を受けて同庁がそれまで「草津白根山」として一体的に発表していた噴火警戒レベルを、同年3月から「本白根山」と湯釜のある「白根山」の二つに分けて運用している。本白根山は、19年4月にレベル1に引き下げられている。

◎浅間山「2」冷静に受け止め 草津・白根「1」誘客追い風期待
 気象庁が浅間山の噴火警戒レベルを1から2へと引き上げた23日、群馬県側の麓の自治体では関係者らが火山活動の推移を冷静に見守った。一方、同日に噴火警戒レベルが1へと引き下げられた草津白根山の白根山に近い草津温泉は歓迎ムード。東京圏での緊急事態宣言解除や県の「愛郷ぐんまプロジェクト」の再実施など誘客へ明るい兆しが見え始めたタイミングだけに、観光関係者は誘客への追い風に期待を寄せる。

 嬬恋村では、レベルの引き上げを受けて防災無線で村民に注意を呼び掛けた。村によると、規制範囲となる火口から約2キロ圏内には、住宅などの建物はなく影響はないという。

 北軽井沢観光協会(長野原町)の福嶋誠会長は「浅間山は噴火リスクをいつも抱えている。レベル1でも2でも(生活や観光に)影響はない」とし、「正確な情報を届けるためにも、臨機応変なレベルの上下がある方が過剰な不安にならなくて良い」と受け止める。

 火口から約4キロの位置にある長野原町営浅間園は4月9日に今季のオープン予定。町の担当者は「(レベル2の)影響はなく、オープンは予定通り」とした。

 一方、草津町では白根山のレベルが引き下げられたことを受け、規制が続けられていた志賀草津道路(国道292号、冬季閉鎖中)の開通への期待が高まる。これまで一部区間がレベル2の規制範囲にかかっていたため、日中のみの通行やバイクの乗り入れ禁止など条件付きの開通だったが、引き下げで規制なしでの通行が可能となる見通し。

 町は、4月23日の冬季閉鎖解除に合わせて通行可能としたい考えで、同月中に開催する草津白根山防災会議協議会(会長・黒岩信忠町長)で条件などを協議する。黒岩町長は「コロナ禍で大変な状況が続く中、明るい話題で大変喜ばしい」とした。入山については、引き続き禁止する方針。

 東京など4都県の緊急事態宣言が解除され、温泉街もにぎわいを取り戻しつつある。草津温泉観光協会の福田俊介さんは「若い人を中心に平日でも徐々に観光客が増えてきた。このまま順調に道路が開通すれば、温泉街に一層訪れてもらいやすくなる」と火山活動の沈静化を歓迎する。

 湯畑近くで土産物屋を営む山口芳雄さんは「(レベル引き下げで)温泉街のイメージも良くなる。道路が開通すれば旅行会社も草津へのプランを立てやすくなる。愛郷プロジェクトなどと合わせて観光客の増加が期待できる」と話した。

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