日航機墜落事故の生データの開示求め遺族2人が提訴 音声や飛行記録「情報を全て明らかに」 東京地裁
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犠牲者の遺影を掲げ、都内で会見する弁護団=26日

 乗客乗員520人が犠牲になった1985年の日航ジャンボ機墜落事故を巡り、遺族の2人が26日、日本航空(東京都)に対し、墜落機のボイスレコーダー(音声記録装置)とフライトレコーダー(飛行記録装置)の生データの開示を求める民事訴訟を東京地裁に起こした。原告側は記者会見し、「データは歴史的公文書で、事故の記憶を忘れないために活用されるべきだ」と訴えた。

 原告は、事故で夫を亡くした吉備素子さん(78)=大阪府=と、副操縦士だった弟を亡くした市原和子さん(84)=熊本市。

 訴状によると、2人は事故の解明を求め、それぞれ18年と20年の計2回、日航側へレコーダーのデータ開示を求めたが、「公的な調査目的以外の使用は禁じられている」などとして、いずれも拒否された。

 2人を含む遺族や関係者は昨年、事故の全容解明を求め、任意団体「日航123便墜落の真相を明らかにする会」を立ち上げ、吉備さんが会長を務めている。

 代理人の三宅弘弁護士は開示請求権を根拠に、開示を求めるという。データを日航が所有していることを確認しているとし、「歴史的公文書であり、企業として国に寄付するべきもの。国民共有の知的資源として活用されるべきだ」と語った。

 会見では吉備さんが映像でメッセージを寄せた。吉備さんは事故当時から「疑問が幾つもある」として、「本当の原因が知りたい。日航の持っている情報を全て明らかにしてほしい。それが520人の供養になる。遺族として当然の権利」と訴えた。

 事故原因を巡っては、当時の運輸省航空事故調査委員会が調査報告書の中で、7年前の尻もち事故の修理ミスが原因となって後部圧力隔壁が破壊され、客室内に「急減圧」が発生、大量の空気が流れ込んだことで垂直尾翼が破壊されたと結論づけた。弁護団によると、原因は諸説あり、データ開示の必要性があるとしている。

 日航は「訴状を受け取っていないため、現時点では会社としてコメントできない」としている。

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