八ツ場運用1年、ダム本体上が通行可に 水陸バス人気、22万人来訪 周遊観光促進に期待
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運用から1年たった八ツ場ダム。ダム本体上から川原畑地区(左)と川原湯地区(右)が行き来できるようになった

 八ツ場ダム(群馬県長野原町)の運用開始から1日で1年となった。建設を巡る歴史や経緯が注目された全国区の知名度を背景に、これまでに約22万人が来訪。水陸両用バスなど新たな観光資源が加わり、一大観光地に生まれ変わった。一方、コロナ禍や相次ぐ計画遅れの事業が誘客に影響している。同日はダム本体の上部通路の規制が解除され、左岸から右岸へ徒歩で通り抜けができるようになり、一体感のある周遊観光の促進に期待する声が上がっている。

 建設計画から68年の歳月をかけ、昨年3月末に完成し翌日から運用を開始。新型コロナウイルス感染症対策のためダム本体の開放は昨年7月7日に始まり、本格的な観光ができるようになった。国土交通省利根川ダム統合管理事務所によると、見学開始から今年3月末までのダム本体来訪者の自動カウントでは約22万人が訪れた。コロナ感染が落ち着き、紅葉が見頃となった秋が多かった。

 町が業者に委託して約4カ月間運行した水陸両用バスの利用客は延べ約1万4000人、乗車率は約70%だった。町の担当者は「コロナ対策で人数制限をした割には乗車率が高く人気があった」とみる。

 一方で、計画が遅れている事業もある。林地区の公園を発着点として冬を中心にダム湖を周遊する観光船(乗客32人)2隻を用意しているが、営業開始の見通しが立たっていない。今冬に航路を試験する計画だったが、ダムの水位低下が響いた。発着地点に近い道の駅「八ツ場ふるさと館」の篠原茂社長は「冬の観光に期待していたのに」と残念がる。

 水陸両用バスの発着地点として当初計画されていた吾妻川右岸の「八ツ場湖の駅丸岩」も、工事が遅れて昨年11月にようやく開業した。

 工事遅れや感染症対策で通行止めが続いたため、吾妻川右岸側の川原湯地区への往来はこれまで限られてきた。1日にダム本体上の通行規制が解除されたことで人の流れが活発になるとして、川原湯温泉協会の樋田省三会長は「ダムの両側から行き来できるようになり、本当の完成だという気持ちだ。川原湯を訪れる人も増えるだろう」と期待する。

 ダムの下流に位置する東吾妻町は、ダム工事のために線路を変えた旧JR吾妻線を使った事業「自転車型トロッコ」を昨年7~12月に実施。約3100人が利用したという。東吾妻町の担当者は「長野原町と周遊してもらえれば観光客が増える」と説明。ダム本体上から下流のダム下まで通じるエレベーターの早期開放を待ち望む。(関坂典生)

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