「真菌」が持つ抗生物質耐性仕組みを発見 群大大学院グループ 難病発症、解明の可能性も
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 群馬大大学院理工学府の行木信一准教授の研究グループは、酵母やカビといった「真菌」が持つ、抗生物質に対する耐性の仕組みの一つを新たに発見したと発表した。細胞の活動が低下して人体にさまざまな影響を及ぼす指定難病「ミトコンドリア病」の一部病態について、発症メカニズムの解明などにつながる可能性があるという。

 実験は出芽酵母を用いて行った。酵母細胞のミトコンドリア内でタンパク質を合成する「リボソーム」に対し、抗生物質を投与してその機能を人為的に阻害。その際、「Pth3タンパク質」と呼ばれるタンパク質が、抗生物質による阻害を解消することを世界で初めて示した。

 人体でPth3に相当するタンパク質「C12orf65タンパク質」が遺伝子変異により正常に作られないと、脳の萎縮や手足のまひなどさまざまな症状を引き起こすミトコンドリア病を発症することが知られている。

 Pth3の機能が明らかとなった今回の発見をきっかけとして、ミトコンドリア病の解明や「C12orf65」の機能解析が進むことが期待されるという。

 行木准教授は「人の疾患の原因となる遺伝子の多くを、酵母も持っている。人の細胞での研究が難しい場合、酵母の利用が有効だ」と話している。

 同学府修士課程の星野総一郎さんが中心となり論文を執筆した。研究は群馬大未来先端研究機構の高稲正勝助教や弘前大、大阪大と共同で行われた。
(村岡瑞基)

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