リンゴやナシの果樹に霜害 群馬県内7市町で確認 冷え込み影響で生産者は作柄懸念
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霜による被害を受けた花芽を確認する小野さん=今月中旬、沼田市の「峠の小野りんご園」

 今月上旬に発生した冷え込みの影響で、群馬県内各地の果樹園で霜により花芽が枯死するなどの被害が出ている。県によると、前橋、高崎、沼田、みどり、中之条、東吾妻、みなかみの計7市町でリンゴ、サクランボ、ナシ、カキなどの被害を確認。作柄への影響が懸念され、生産者は「昨年は新型コロナウイルス、今年は霜害と心配が絶えない」と悲鳴を上げる。判明していない被害もあるとみて、県は状況を注視し、農家に注意喚起していく。

◎「実の付き悪く」
 沼田市北部にある「峠の小野りんご園」。一部のリンゴの花芽が茶色く変色する被害を受けた。経営する小野圭介さんは「毎年霜害は心配しているが、昨年より実の付きが悪くなる恐れがある」と懸念する。送風ファンを回したり、日当たりのために草刈りをしたりして地面の温度を上げるなど防霜対策を取る予定だ。

 凍霜害は、主に低温によって果樹の花の雌しべが枯死する。市内約30の農園が加盟する沼田さくらんぼ組合の小野勝司組合長は「今年は3月ごろの気温が高めで発芽が早く、ちょうど咲き始めと冷え込みが重なってしまった。市内でも雌しべが枯死するケースが出ている」と明かす。「自然が相手なので良い時ばかりでない。産地を守っていきたい」と前を向く。

 中之条町でリンゴ園を営む金井農園の金井国博さんは今月上旬に氷点下3~4度の日があったとし、「雌しべが死んだ状態。それでも花は咲くため、実がならないものと見分けるのが難しい」と嘆いた。

◎被害不透明
JA前橋市によると、最低気温2.3度と冷え込んだ10日、凍霜害が確認された。ズッキーニを育てる6軒で、平均約3~4割の葉が枯れてしまったため、苗を植え替えている。担当者は「苗を植えて数日後の被害で、農家はショックを受けている」と話した。

 前橋市粕川町のナシやモモなどを栽培する果樹園では、ナシの花びらが茶色く変色しているのが確認された。果樹園を営む60代女性は「ここ数年、予想外の霜や降雪で毎年被害がある。まだ被害の全容を把握していないので心配」と気をもむ。

JAはぐくみ(高崎市)には、同市の榛名地域でナシやプラムが被害を受けたという報告が数件あった。担当者は「対策している生産者も多いため、大きな被害は確認していない」と話している。

 県技術支援課によると、広範囲の凍霜害の確認は2013年度以来。当時は4~5月の冷え込みによりサクランボやナシ、クワなどが影響を受け、計2億8千万円の被害が出た。同課は「今回の凍霜害で被害がどれだけ出るのかは不透明。適切な摘果を指導するなどの対策を講じたい」としている。
(まとめ 堀口純)

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