本県PRの起爆剤に 人気再燃、経済効果狙う ぐんまちゃんアニメ化
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 群馬県の知名度や魅力アップを目指し、県が「ぐんまちゃん」のアニメ化を進めている。作品を通じて県外の幅広い地域や世代に本県への親しみを持ってもらい、関連商品の売り上げ増や観光誘致といった経済効果につなげる。2014年のゆるキャラグランプリ優勝効果が徐々に薄まる中、アニメを新たな起爆剤にさらなる「愛されキャラ」に育てる考えだ。

 アニメは7分程度の作品を1回3話ずつ放映する「サザエさん形式」で計13回(39話)を想定している。製作は「クレヨンしんちゃん」などの代表作がある本郷みつる監督や、「デュエル・マスターズ」などを手掛けた制作会社のアセンションが担当。10月から「県内外のなるべく広い地域」のテレビ放送開始を目指している。

 数々のコラボ商品が誕生した人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」をはじめヒット作品の経済効果は大きい。県メディアプロモーション課は「ぐんまちゃん人気が高まり、デザインを利用した県内企業の商品などが売れるようになれば、県全体の価値を高めることにつながる」と狙いを説明する。

 手本とする熊本県の「くまモン」は利用商品の売り上げが累計1兆円に迫る。同県くまモングループは「経済効果だけでなく県民の夢、誇りになっている」と胸を張る。

 ぐんまちゃんもくまモンと同様、ゆるキャラグランプリ優勝の実績を持つが、13、14年度当時に2700件程度あった県内企業などへのデザイン利用許諾件数は、19年度に1317件と半減するなど県内を含めて勢いを維持できていない。

 同課は「ぐんまちゃんが入った商品を消費者や企業に『買ってみたい』『使ってみたい』と思ってもらうには大きな刺激が必要」と強調。アニメ化をそのきっかけにもしたい考えだ。

 マーケティングを専門とする高崎経済大の佐藤敏久教授は、くまモンの成功のベースに地域との関係性があるとし、「ぐんまちゃんは優勝から7年も経過しており、県民との関係性を再構築する必要性がある」と分析する。その上で「『群馬といえば』との質問に、温泉とぐんまちゃんが同じくらい返って来る水準まで連想を高める必要がある」と指摘している。

 ヒットの鍵を握る物語の内容は公表されていないが、製作に先立ち、ぐんまちゃんの作者の中嶋史子さんを交えて作品のベースとなるぐんまちゃんの詳細設定、世界観を再構築したという。

 民間で音楽アーティストのプロデュースなどを手掛けてきた宇佐美友章・県メディア戦略アドバイザーは「ぐんまちゃんをさらに好きになってもらえる設定ができた。シンプルな線で描かれるかわいさは世界で愛されるキャラに共通している」と自信を見せている。
(西山健太郎)

◎売り上げ1兆円目前 くまモン利用商品
 ご当地キャラとして圧倒的な存在感を誇るくまモン。熊本県によると、デビュー10周年を迎えた2020年の民間企業、団体によるデザイン利用商品の売上高は1698億円を超える。10年間の累計は9891億円と1兆円の大台が目前。吉本興業(大阪)などによる製作委員会形式でのアニメ化も発表している。

 一方、ぐんまちゃんのグッズ、関連商品売り上げは、ゆるキャラグランプリ優勝翌年の15年度に191億円だったが、その後は集計がない。群馬県は現状把握とアニメ化効果の分析に向け、20年度の売り上げを調査する方針だ。

 日本リサーチセンター(東京)の「第7回NRC全国キャラクター調査・ご当地キャラ編」によると、20年のくまモンの認知度は18キャラ中1位で、ぐんまちゃんの5位を上回った。アニメキャラなどを交えた全84キャラの好感度ランキングでも「となりのトトロ」「ドラえもん」などを抑えて1位だった。ぐんまちゃんは上位20位に入らなかった。

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