《コロナ哀歌》露天商 47歳男性 やっと出番、客は戻らず この1年行事ゼロ 花見も人出少なく 感染対策しっかり
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「客足はまだまだ寂しい」。店を切り盛りしながら男性はつぶやいた

 群馬や埼玉の祭りに年間を通じて屋台を出してます。それが新型コロナの影響でこの1年近く、行事はほぼゼロ。この道に入って20年になるけど、仕事そのものができないなんてね。初めての経験だった。

 やばい。そう感じたのは感染が広がり始めた去年の春。あっという間に祭りやイベントがなくなった。夏祭りも、秋祭りも。その間は土木のアルバイトです。

 なんとか耐えて今年1月、前橋初市でようやく仕事ができた。その次は花見シーズン。前橋市内の公園の花見客は、壊滅的だった去年より多い。自粛してきたから、少しでも楽しみたいんでしょう。

 うーん、でも人出は例年と比べれば3分の1くらいかなあ。宴会できないから短時間しかいないし、屋台で買ってくれる品数も少ない。サクラは咲いても、人が少ない景色は寂しいね。

 店には飛沫(ひまつ)を防ぐシートをつるしたり、消毒液を置いたり。他のお店もそうだけど、お客さんに安心してもらおうと、コロナ対策はしっかりしてます。

 屋台の仕事を始めたのは27歳。短期間のバイトのつもりだったけど、性に合ってずっと続いて。もともと料理が好きなんで。店の準備は朝8時くらいから、仕事が終わるのは午後9時くらい。立ち仕事で、体力的には大変。

 焼きそば、じゃがバター、唐揚げ。いろいろ作るけど、たこ焼きが一番難しいので、自分みたいなベテランの担当。たこ焼きは焼き加減にこだわりがある。しっかり焼いて、表面に少し焦げ目を付ける。香ばしくなるし、食感もいい。「ここのが毎年食べたくなるよ」と、縁日のたびに来てくれる人がいるのがうれしい。

 屋台の良さ?祭りは特別な場所だから、その分、普段食べるよりおいしく感じられることかな。もちろん、もともとうまいんだけど。

 客足は厳しいけど、少しずつイベントができるようになり、なんとか店を出せるようになってきた。花見の次はゴールデンウイーク。県内の遊園地に店を出します。感染が収まって、いつもの活気が戻ってほしい。それだけが願いです。
(真下達也)

 渋川市在住。10代で調理師免許を取得し、飲食や建築の仕事を経て露天商の団体に加入。男性。47歳

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