《コロナ哀歌》運転代行業 60歳男性 薄い補償、この差は何? 都内の自粛が県内にも影響 飲食閉店なら先細り 政治家への信頼「ない」
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営業中の運転代行の車。酔客が減り、売り上げは大きく落ち込んでいるという=前橋市内

 群馬の人は東京の動きに敏感だよね。東京で緊急事態宣言が出されたら、すぐに利用客が減っちゃうんだもの。群馬だけじゃなく、東京の動きまで仕事に影響してくるのは、たまったもんじゃない。都民向けに会食や飲酒の自粛を呼び掛けるニュースが流れたら、もう大打撃。その日からお客さんがぱったりといなくなってしまう。

 この仕事を10年やってるけど、コロナの前と後では仕事量がかなり変わった。車で待機する時間が大きく増えたよ。車内でずっと座っているのはそこまで苦じゃないけど、何もせずただボーッとしているだけ。こんなことになるなんて、以前は考えられなかった。

 給料は歩合制。コロナ前は、月50万円を稼ぐこともあったし、そのぐらい稼いでいる同業者も多かった。この仕事の前は長距離ドライバーをやってたけど、こっちの方が稼げると思って職を変えたぐらいだもんね。ただ、今は全く稼げない。無駄な出費を抑えることで何とか生活している。俺は高齢者だし、遊ぶ金とかを切り詰められるけど、若い子たちはたまったもんじゃないだろうね。

 コロナ対策では飲食店とかにはすぐに補償が出るけど、われわれには薄い。運転代行会社が補償を受けにくいという、この差は何なのだろうね。われわれだって働いて税金をちゃんと納めているし、やるべきことはきちんとやっている。だから疑問を持ってしまう。「底辺の仕事」だから、国や県の政治家は目を向けてくれないんだろうかって。

 飲食店への休業協力金は店にちゃんと届いているのかね。本当に欲しいときに来なけりゃ意味がないよ。店がつぶれちゃう。コロナへの対応を間違えて飲食店がどんどんつぶれりゃ、われわれの仕事も先細りになる。先行きは暗いよ。

 頼みの綱はワクチンだけど、それもどうなることやら。政治家に対する信頼はもうないね。聞こえの良い言葉だけ並べて、きちんとした対策になってないもの。今の状況が続いたら、生活が立ち行かなくなってしまう。そうなるのは遠くないかもね。
(高木大喜)

 渋川市在住。トラック運転手として長く働き、10年ほど前から運転代行会社に勤務。男性。60歳

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