「減量で身体にキレ」に科学的根拠 ボクサーの脳調査で確認 群馬大病院研究グループ
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 群馬大病院などの研究グループは9日までに、試合に向けて減量トレーニングに取り組むプロボクサーの脳内で、運動をつかさどる部分の神経細胞をつなぐ線維量などが増えていることを確認したと発表した。これまで「減量トレーニングで身体のキレが増す」と経験的に言われてきた現象の科学的根拠になるとしている。

 プロボクサー21人の脳をMRI(磁気共鳴画像)で撮影したところ、試合直前の脳は1カ月前に比べ、運動などに関与する「線条体被殻」と前頭葉の「第一次運動野」の神経細胞同士をつなぐ白質線維が、平均して2倍近く増えていた。体重が減ったボクサーほど血流量が増える傾向もあった。

 この部分の線維量や血流が増えて神経細胞同士の構造的、機能的な結び付きが強まると、例えば「ワンツーパンチ」のような連続運動が円滑になるという。試合1カ月後の脳は線維量が減っていたことから、試合前の減量トレーニングの効果とみられる。

 研究論文の責任著者を務めた同病院の荻野祐一講師は「感覚や経験ではなく、科学的根拠に基づく練習メニューの立案などに役立つ」と意義を説明している。

 研究は帝京大、自然科学研究機構生理学研究所、東京大との共同研究。論文は科学誌ネイチャーの姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」に4月27日付で掲載された。
(西山健太郎)

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