焼きまんじゅうで脱・引きこもりを 若者の就業体験にキッチンカー 前橋で倉林さん
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就業体験で、焼きまんじゅうを作る女性

 引きこもりの若者らを支援するNPO法人「はじめの一歩」(前橋市、板垣弘美代表)の倉林伸哉副代表(62)は、若者の就業体験の機会をつくろうと、キッチンカーで焼きまんじゅうの販売を行っている。昨年7月から自ら焼きまんじゅうの老舗店で修業を積み、指導しながら運営する。6月6日までの期間限定で前橋文学館(同市千代田町)で開いており、「当事者が自ら接客して販売し、お金を稼ぐ経験が自信につながる」と意気込んでいる。

 東日本大震災をきっかけに、仕事以外で社会に何か還元したいと考えるようになったという倉林さん。仕事で特別支援学校の教師と親交があったことから、引きこもりや不登校の問題を身近に感じるようになり、板垣代表らと2013年に同法人を立ち上げた。

 定年退職後、本格的に携わるようになり、活動の幅を広げようと、18年7月には当事者らが気兼ねなく集まれて、就業体験もできる飲食店兼コミュニティースペース「はじめの一歩」を同市上新田町に開業。焼きそばやコーヒーを販売したが、料理や接客に不慣れな当事者が就業体験するには難しかった。

 思案した末、当事者が作りやすく、客も手に取りやすい焼きまんじゅうを思い付き、高校時代の友人が社長を務める老舗「原嶋屋総本家」(同市平和町)で20年7月から修業。仕入れの仕方や焼き加減などを伝授してもらった。

 同店が題材になった小説「焼きまんじゅう屋一代記」を書いた児童文学作家、木暮正夫さんの企画展にちなみ、3月中旬から前橋文学館(同市千代田町)で出店。当事者らが就業体験し、倉林さんと共に接客から販売まで担っている。

 出店直後から就業体験をしている女性(23)は「外で働くことで開放的な気持ちになって前を向けるようになった」とはにかんだような笑顔を浮かべる。

 「いつか引きこもりの当事者が、自分たちのキッチンカーを出して、生き生きと働き生活できるようになってほしい」と倉林さん。「今後は高齢者施設や児童養護施設などでも開いていきたい」と話している。

 同文学館での出店は、木~日曜の午前11時~午後2時。(栗原綾菜)

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