群馬県、まん延防止措置の適用要請 16日から10市町想定 時短対象拡大や酒類提供の終日自粛へ
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 新型コロナウイルス感染拡大を受け、群馬県は12日、国に緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」の適用を要請した。国が今後、是非を判断する。県は期間を早くて16日から31日までで、対象区域を前橋、高崎など10市町と想定。適用された場合は営業時間短縮要請を飲食店全般や大規模集客施設に広げ、酒類提供の終日自粛を要請する方針。区域内で要請に応じない飲食店を公表したり、過料を科したりできるようになる。

 山本一太知事は12日の臨時会見で、専用病床の稼働率が6割を超え、感染力が強いとされる変異株が急拡大する現状を強調。「感染状況が改善しなければ、深刻な医療提供体制の機能不全に陥る危機的な状況にある」と要請理由を説明した。

 対象区域に想定する10市町は前橋、高崎、伊勢崎、太田、沼田、渋川、藤岡、富岡、安中、玉村。(1)直近の人口10万人当たり新規感染者数が2人以上(2)感染経路不明者の割合(3)感染拡大の期間―などから総合的に判断したという。

 国が適用を認めるかについては、西村康稔経済再生担当相と11日に電話会談したことなどから「群馬の状況を分かってもらっているので、認めてもらえる感触を持っている」と述べた。

 適用された場合、午後8時までの時短営業要請を現在の(1)接待を伴う飲食店(2)酒類を提供する飲食店(3)カラオケ店―だけでなく全飲食店に広げ、酒類提供の終日自粛を要請する方針。延べ床面積1000平方メートルを超え、生活必需品以外を扱う集客施設(劇場、博物館、遊技場など)も時短要請の対象に加える。

 協力金は国の基準に従い、事業規模や売り上げに応じて1日当たり2万5000~7万5000円とする現在の金額を同3万~10万円に増やす方針を明らかにした。

 新型コロナ対応の改正特別措置法に基づき、飲食店が時短要請に正当な理由なく応じない場合は店名公表や命令ができ、命令に応じなければ20万円以下の過料を科せるようになる。

 一方、残る25市町村も県の独自指針に基づく21日までの時短要請を延長し、対象を飲食店全般に広げる方針。酒類提供は午後7時までとする。ただ、協力金は現在の金額を維持する。生活必需品以外を扱う集客施設にも、協力金を支給しない依頼の形で時短営業を呼び掛ける。

 このほか県立学校については適用後も全県で通常登校を維持するが、対象10市町の学校でクラスター(感染者集団)が複数発生した場合は分散登校に移行する考えを示した。
(西山健太郎)

◎県内新たに104人陽性 過去2番目 
 新型コロナウイルス感染症で、県と前橋、高崎両市は12日、新たに10歳未満~90代の男女104人の陽性が判明し、入院していた県内の40代男性1人が死亡したと発表した。一日の発表人数としては、5月8日の113人に次いで過去2番目に多かった。県内での感染確認は、再陽性も含め累計6946人(うち110人死亡)となった。

 従来株より感染力が強いとされるN501Y変異株を巡っては、県は新たに、いずれも50代の男女4人の感染を確認したと発表。感染確認は計244人となった。陽性が分かった人の中から抽出した対象者のうち変異株が検出された割合は3~9日に44.0%だったが、10、11の両日は6割を超え、急増している。

 12日の臨時会見で、山本一太知事は「過去最悪のペースで感染拡大が進んでいるのは、変異株の影響が大きい。県内の感染は全て変異株だと思ってほしい」との認識を示し、県民に従来の感染予防に加えた一層の対策を呼び掛けた。

 県によると、同日夜時点で専用病床の稼働率は65.3%となり、政府のコロナ対策分科会が示す指標では、最も深刻な「ステージ4」の水準を上回っている。重症者用(74床)については過去最多の17床を使用している。1週間の新規感染者数の1日平均は84.9人に上昇した。

 一方、伊勢崎市の有料老人ホームで80~90代の入居者5人の感染と、利根沼田保健所管内の障害福祉サービス事業所で10~60代の利用者と職員計5人の感染がそれぞれ確認され、県はいずれもクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。
 既に確認されているクラスターでは、伊勢崎市の別の有料老人ホーム関連で新たに入居者3人の陽性が分かり、陽性判明は計14人になった。
(稲村勇輝)

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