温泉街の魅力に浸って 伊発祥の機能分散配置型ホテルを草津で整備へ  空き家活用、周遊促進
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整備予定地を見ながらオンラインでアドバイスを受ける黒岩社長ら=4月下旬、草津町

 新型コロナウイルス収束後を見据え、観光客に新たな宿泊の価値を提供しようと、群馬県の草津温泉(草津町)の草津ホテル(黒岩透社長)は、空き店舗を活用してイタリア発祥の試み「アルベルゴ・ディフーゾ」に取り組む。受付場所や宿泊施設を分散して配置することにより、温泉街の散策を楽しんでもらうなど新たな旅の形を提案する。

 「アルベルゴ―」は、イタリア語で「分散したホテル」を意味する。一つの施設内で食事や宿泊、娯楽が楽しめる従来の大型ホテルとは対称的に、地域内の空き家や古民家を活用し、受け付けや客室、食堂などの機能を分散させることで、地域全体を一つのホテルと見なす取り組み。

 周遊性を高めることができ、空き家・空き店舗の活用が地域活性化につながると期待される。

 同ホテルは、西の河原公園近くで空き店舗となっていた建物を2年ほど前に購入し、活用方法を模索してきた。自転車人口の増加を背景に、サイクリスト向けの宿泊施設に改修することを計画している。客室に自転車を持って行けるようにするほか、自転車のメンテナンスができる施設を併設し、自転車のレンタルやツアーなどの実施も目指すという。

 「アルベルゴ―」の手法を取り入れ、周辺施設も整備していく予定だ。改修する空き店舗の近くには、同ホテルが運営する片岡鶴太郎美術館とホテル別館があり、各施設の受け付けを美術館に集約。美術館のカフェスペースで食事ができるようにする。利用者は美術館で受け付け後、従業員の案内を受けながら各宿泊施設へと移動する形になる。

 4月下旬には、イタリアの民間団体「アルベルゴ・ディフーゾ・インターナショナル」のジャンカルロ・ダッラーラ会長によるオンラインでのコンサルティングが行われた。スマートフォン越しに現地を見学したダッラーラ会長が「各施設に統一感を出すと良い」「レセプションをどこに設けるかが重要」などとアドバイスした。

 黒岩社長は「コロナ禍で大変な時だが、事業を見直す良い機会。収束後を見据え、新たな取り組みを考えるのは楽しい」と話した。

 アルベルゴ・ディフーゾ・インターナショナル日本代表の長谷川昭憲さんは「施設を分散させることで地域の文化を感じたり、人との接点が増えることが魅力。取り組みを広げていきたい」としている。

 現在、日本では岡山県矢掛町の2施設がアルベルゴ・ディフーゾの認定を受けている。(桜井俊大)

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