《空からぐんま》こいのぼり 気持ちよく大空を泳ぐ
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 〈やねよりたかい こいのぼり〉は、大きな瞳でどんな景色を見ているのだろう。赤堀せせらぎ公園(伊勢崎市堀下町)近くの粕川沿い。ゆるゆる泳ぐ彼らの視線の先を今月上旬、ドローンでのぞいた。

 たなびいていた8日まで、たくさんの老若男女が童心に帰った。その一瞬を切り取ろうと撮影に汗した人たちも。「あの日は風が強くて…。子どももいたので、ここと決めた位置だけで撮りました」。上毛新聞のインスタグラムに投稿してくれた、みどり市の@yumi.smmさんは笑う。

 一眼レフで撮り始めたのはおととしから。中3、小5、小1の3姉妹とあちこちに出掛けて、折々の光景を収めてきた。「温かい、ほっこりした一枚が撮りたい」。新型コロナウイルスが早く落ち着き、子どもたちが気兼ねなく遊べるようにと願う。

 収束はまた、地元住民の望みでもある。すぐ近くの伊勢崎赤堀南小の児童たちは今年、それぞれの思いや祈りを黄色いハンカチに書き込んで、こいのぼりの足元に掲げた。

 そもそもこいのぼりを揚げるようになったきっかけは、赤堀南小が開校したことへの「お祝い」だった。もう31年目。60匹から始まって少しずつ数を増やして、今年は450匹に。家庭でしまわれていたものを再活用している。

 「利根川(伊勢崎の南)の方、前橋の山の方、高崎の方。昔はカーナビがなくて、もらいに行くんが大変だった。金具も手作りで溶接してるんさ」。堀下鯉(こい)のぼりを揚げる会会長の石田卓大さん(71)は、少ししわの刻まれた目尻を下げた。

 強風で毎年それなりの数が破けてしまう。今は以前のように飾らない家庭もあり、高齢者施設のお年寄りに色付けしてもらったこいのぼりも揚げている。

 川沿いの道を走ってきた幼児たちが、珍しそうにドローンを指さした。宙を翻る尾っぽをつかもうとする子、タンポポの綿毛を吹く子。君たちの〈心臓からあふれ出した声で歌うメロディ〉(宿命、Official髭男dism)は、いつも誰かを元気にする。

 この場所で、自分が小さな頃に家で飾ったこいのぼりも揚げてもらっていたと、今回初めて知った。それは心地よく、五月晴れに舞っただろう。
(文・五十嵐啓介、写真・大橋周平)

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◎インスタグラム「#グンマーの春」で画像をお寄せいただきました。

場所名をクリックすると、画像が見られます。

@jojoleon_s
【場所】伊勢崎市・赤堀せせらぎ公園、4月撮影

@antonio_keusagi
【場所】甘楽総合公園、5月3日撮影

@yumi.smm
【場所】伊勢崎市赤堀せせらぎ公園近く、4月11日撮影

@snowstyle652_photography
【場所】嬬恋村・鬼押出し園

@sakenomix_reborn
【場所】中之条町・道の駅「霊山たけやま」

 上毛新聞社は写真共有アプリ「インスタグラム」の公式アカウント(@jomo_shinbun)=QRコード=で、群馬の姿を切り取った作品を募っています。31日までのテーマは「#グンマーの春」。これまでに3千件以上の作品が寄せられました。

 6月1日からは「#グンマーの夏」を募集します。風景、木々や草花、建物、食べ物に人…。夏にちなんでいればどんなものでも構いません。写真に不慣れな人の力作も歓迎です。一緒にもう一度、群馬の魅力を見つめてみませんか。

 集まった作品の一部は、断りなくインスタで転載したり、紙面で紹介したりする場合があります。

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「空からぐんま」は月1回掲載。次回は6月29日

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