息子がかかった骨の難病「存在知って」 群馬・太田の新藤さんが交流サイト 思い共有へ情報発信
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「カムラチ仲間」を運営する(右から)新藤さんと勇人君、妻、栄美子さん

 「息子がかかった難病の存在を知ってほしい」。群馬県太田市下浜田町の新藤武志さん(50)は、子どもの慢性疾病で遺伝性の骨の難病「カムラティ・エンゲルマン症候群」を発症した長男、勇人君(小学6年)を励まそうと、患者らの交流サイトを運営している。国内の推定患者数が約30人と少なく交流の輪は広がっていないが、勇人君の様子や保護者としての悩みを投稿し、同じ病気の患者やその家族から連絡が来るのを待ち続けている。

 「走り方がおかしい」。2014年冬頃、新藤さんは、保育園児だった勇人君の姿に違和感を覚えた。最初は軽く考えていたが、痩せた体形が目立ち始め、関節を動かすのも苦労するようになった。小学校に進学した16年4月、病院の検査で骨の異常が判明。同年夏にカムラティ・エンゲルマン症候群と診断された。

 勇人君は学校生活に苦労した。立ち上がるのも大変で、階段の上り下りには手すりが必要。体育の授業はほとんど見学した。劣等感から登校を拒み始めた。

 新藤さんは、「恥ずかしい話だが怒鳴ったこともあった。『世の中にはもっとひどい病気でも、耐えて乗り越えて生活している子がいるのに』という気持ちだった」と振り返る。

 病気に苦しむ勇人君を元気づけようと19年7月、新藤さんは患者らの交流サイト「カムラチ仲間」(https://r.goope.jp/hayato0204/)を開設した。学校生活から登校時の保護者の苦労まで、さまざまな話を載せている。勇人君も病気の治癒を願う切実な思いなどを投稿。主に学校関係者らが読んでくれているという。

 ただ、同じ難病患者からの連絡は来ていない。「もっと早く(患者が)見つかると思っていた」と新藤さんは苦笑。交流が広がることを心待ちにしている。

 勇人君は、一時期まで元気に通学を続けたが、思春期に入ると再び悩むことが増え、現在は登校が難しい状況にある。今後は成長に伴う合併症が起こる可能性が高いという。

 日本難病・疾病団体協議会は、「難病は希少性や種類の多さから一般への周知が難しい。誤解や偏見も起こりやすいが、認知度を高めるには情報発信を続けることが大切」としている。(中村穂高)

 カムラティ・エンゲルマン症候群 国が定める小児慢性特定疾病で、細胞増殖の抑制などに関わる遺伝子が変異して起こる骨の難病。幼少期は疲れやすさや筋力低下などの症状がみられ、思春期以降になると手足の鈍痛や頭痛などが加わる。小児慢性特定疾病情報センターによると患者数は世界でも200人程度とみられる。

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