五輪豪女子ソフト代表が太田入り 延期後初の海外選手団 リモートで市民と交流も
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宿泊先のホテル前で撮影に応じるオーストラリア代表の選手ら=1日午後1時25分ごろ、太田市

 東京五輪に出場するソフトボールの女子オーストラリア代表が1日、事前合宿をする群馬県太田市に到着した。新型コロナウイルス感染症の影響による大会延期決定後では、初の海外選手団の入国となった。感染拡大防止のため厳しく行動が制限される中、7月17日まで47日間の合宿が始まった。

 午後1時半ごろ、代表選手団約30人を乗せた専用バスが宿泊先となる同市内のホテルに到着した。選手らは緑色のTシャツやパーカにマスク姿。笑顔でバスを降り、集合写真の撮影に応じた後、ホテルに入った。

 同代表のロバート・ハロー監督は「チームを受け入れ、五輪の準備をさせてもらえることを大変感謝している。太田と日本の皆さんを尊重し、滞在中に全員の安全を守るため適用される規則にのっとり、合宿期間中、練習に集中したい」などとするコメントを発表した。

 選手らは市の策定したマニュアルに従い4日までホテルに待機し、5日に練習を開始、6日から大学や実業団チームと練習試合をする。リモートで市民との交流なども予定している。

 山本一太知事と清水聖義市長は選手団が到着する前の1日午前、宿泊先のホテルと練習会場の太田市運動公園野球場を視察した。清水市長は「いよいよこれからという感じ。しっかり対応したい」、山本知事は「ホテルや野球場の動線は工夫してある。県として支援できることは何でもしたい」と話した。(まとめ 中村穂高)

◎市民や競技関係者ら歓迎 受け入れ心配する声も

 東京五輪に出場するソフトボールのオーストラリア代表が事前合宿先の太田市に到着した1日、市民や競技関係者らから歓迎の声が上がった。一方、新型コロナウイルスの収束が見通せない中での受け入れを不安がる声があるほか、五輪開催自体を疑問視する意見もあった。

 小学生のソフトボールチーム「宝泉プリティーズ」の主将、三吉れあさん(11)は「どんなプレーが見られるのか、とても楽しみ」と声を弾ませた。選手団が、なじみ深い市運動公園野球場を練習拠点にすることについて、「憧れの選手が自分の知っているグラウンドに立つのは不思議な気持ち。目に焼き付けたい」と話した。

 3年前、世界選手権の事前合宿で訪れた同国代表選手と交流した太田藪塚本町中ソフトボール部主将の小島未空さん(14)は「今回も交流したかった」と残念がった。練習試合の一般公開を観戦する予定で、「日本を代表するような選手を目指しているので、投手がどんな三振の取り方をするのか学びたい」と力強く語った。

 滞在先のホテルに到着した選手団は、時折笑顔を見せながら手を振って建物に入った。近くで見ていた大学3年生の小林優大さん(同市)は「コロナ下での受け入れに不安はあったけど、笑顔で手を振る姿に親しみが湧いた。練習試合を観に行き応援したい」とエールを送った。

 「受け入れの準備をしてきた。子どもたちにソフトボールに関心を持ってもらうきっかけにしたい」。県ソフトボール協会太田支部の山口強治会長は、選手団の滞在期間中はグラウンド整備などのサポートをする予定だ。「ここまでやるからには(五輪の)延長や中止だけは避けてほしい」と願った。

 一方、選手団受け入れや五輪開催に懐疑的な見方もある。男性会社員(50)=同市=は「本来は選手団を歓迎すべきだが、コロナ下の今では難しい。五輪よりも、国の対応が後手後手になっているコロナ感染防止を優先すべきだと思う」と話した。

 同市内の病院に勤務する30代の女性看護師は、今回を皮切りに各地で海外選手団の入国が始まることで、「既存ワクチンに耐性のある新たな変異株が海外から入ってくるかもしれない」と危惧する。「ワクチンの効果は100%ではない。これから感染のリスクが高まる恐れはないのだろうか」と五輪開催に向けた動きを心配した。
(まとめ 時田菜月)

◎接触は極力回避 太田市が関係者を連日検査

 コロナ下で東京五輪ソフトボールのオーストラリア代表を受け入る太田市は、選手団と市民の接触を極力回避するため、厳重な態勢で臨む。選手らの日常生活や練習をサポートする市職員、ホテルスタッフは原則として毎日PCR検査を受けるなど感染防止対策を徹底する方針だ。

 接遇などで選手と接触する機会が多い市職員13人とホテルのフロントスタッフら約40人は毎日、PCR検査を受ける。接触が少ない人員も4~7日に1回の頻度で検査する。

 選手団には、練習場と宿泊するホテルの往復などに限る行動制限に協力してもらう。ホテルでは裏口から出入りし、客室や食事会場などがある3フロアを貸し切って生活する。一般客との接触を避けるため警備員を配置する。

 練習拠点となる市運動公園野球場は、合宿期間(1日~7月17日)は同代表チームの貸し切りとする。最大収容人数は5千人だが、練習試合の際の一般観戦者は半数以下にする。出入り口も「代表選手用」「市職員用」「対戦相手用」「観客用」に分け、それぞれの接触機会を極力減らすという。(中村穂高)

◎接遇担当者ら「優先的接種」 太田市長が意向

 東京五輪ソフトボールのオーストラリア代表の受け入れを巡り、太田市の清水聖義市長は1日、選手団の接遇などを担当する市職員やホテルスタッフに、新型コロナウイルスワクチンを優先接種する意向を明らかにした。また、選手団が買い出しなどに行けるよう、外出制限も緩和する方向で国と調整するとした。

 いずれも、内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部事務局に問い合わせており、今後協議する。

 ワクチン優先接種は、65歳以上の高齢者の接種が7月中に完了することを確認でき、ワクチンに余りが出た場合に可能だという。清水市長は「(当日キャンセルに伴う)余剰ワクチンを活用したい」とした。

 外出制限緩和には、新たな外出先を加えて活動計画書を修正し、国と協議が必要という。清水市長は、選手らが練習以外でも外出できれば「精神的なストレスも減るだろう」とする。市内のショッピングモールを想定し「市民が買い物に来る前に済ますやり方がある」と語った。今後、チームの要望を踏まえ協議したい意向だ。

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