《コロナ現場発》高校文化祭 コロナ下で工夫 動画配信、リモート交流… 非公開でも思い継ぐ
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アーチを制作する高崎高の生徒=3日午後

 コロナ下で群馬県の県立高校の文化祭が様変わりしている。感染拡大防止のため多くの高校が保護者を含む一般来場者を受け入れないことを決めたほか、日程を短縮したり、体育大会と入れ替えたりしている。各校は来校してもらえない代わりに、インターネットを使った保護者向けの動画配信などを計画。思い描いた文化祭と異なるものの、昨年は中止となった学校が多いこともあり、生徒たちは工夫しながら開催に向けて準備に打ち込む。

◎先輩の構想

 高崎高(小林智宏校長)は来場1万5000人を誇る毎年開催の「翠巒(すいらん)祭」を5、6両日とも非公開にする。

 3日夕は同校の生徒たちがインパクトドライバーやペンキを手に、校門で大掛かりな構造物を組み立てていた。伏見稲荷に着想を得た赤と白のアーチ。完成すれば高さ4メートルに達する。開催中止で実現できなかった昨年の3年生の構想を受け継いだ。設計や資材調達を含め半年以上を費やした。

 今年の文化祭は来場者を絞ることが検討された後、5月にまん延防止等重点措置の適用を受け、土壇場で一切受け入れないことに。「2年連続でアーチが作れないと、ノウハウを引き継げない。後輩に伝統をつなげれば建てる意味がある」。3年の松岡蒼真さんは卒業生に教えを請い、仲間と協力して慣れない作業を進めた。制作過程は文化祭公式ツイッターにも載せた。

 3階建ての校舎屋上からつるす巨大壁画のモチーフも、昨年の3年生が考えていた大阪城にした。

◎リモート交流

 演奏を披露する機会が激減している音楽系の部活動は動画配信を計画。2日前に群馬交響楽団の音楽教室で演奏を聴いた吹奏楽部3年、斎藤宗太さんは「やはり生だと心動かされた。動画になってしまうが、できる限りの音を届けたい」と意気込む。和太鼓部2年の須永健介さんは「生の迫力は伝えられず残念。一人一人にズームしたり高い位置から撮影したりと、普段見られない角度で演奏を映像に残したい」と前を向く。

 展示発表では理系研究に取り組む生徒らが県立前橋高とビデオ会議システムでつながり成果を互いに発表し、遠隔で京都大教授が審査する。展示の人気投票で1位常連の鉄道研究部はツイッターで鉄道模型のジオラマを発信する。

 感染症対策として、生徒は校内の移動先と時間を記録。実行委員が展示や発表を動画撮影する。

◎各校の判断

 県教委は5月14日付で「感染リスクの高い教育活動の実施は慎重に検討」と通知、文化祭の運営についても各校に判断を委ねた。文化祭を非公開とする高校のうち、昨年中止した隔年開催の前橋女子高は今年は1日間に短縮して実施。高崎女子高と太田女子高は2日間行うが公開しない。県立前橋高は非公開のため休日に開く必要がなくなったとして日程を平日に移した。各校は保護者向けに後日の映像配信などを検討する。

 県立太田高は生徒に意向を聞き、文化祭と1年ごとに開く体育大会を入れ替え、今年は体育大会を開く。(高野聡)

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