アパート1室に猫44匹 多頭飼育崩壊 異臭漂い近隣からは苦情 妊娠中の個体や衰弱した子猫も…
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アパートの一室で身を寄せ合う猫たち=藤岡市内(飯田さん提供)

 群馬県藤岡市内のアパートの一室で猫44匹が飼育されていたことが、19日までに分かった。動物愛護団体のNPO法人群馬わんにゃんネットワーク(高崎市)が保護や避妊手術などの対応に当たっている。飼い主が把握できないほどに繁殖し、衰弱が著しい猫がいるなど、適切な世話をできなくなる「多頭飼育崩壊」が起きていたとみられる。

 同ネットワークの理事長を務める飯田有紀子さん(59)によると、同ネットワークに対して8日、個人ボランティアらから「かなりの数の猫を飼っている住居がある」「飼い主が退去して猫を手放す」などという情報が寄せられた。翌9日に飯田さんらがこのアパートを訪問し、飼育崩壊を確認した。異臭とともに汚物まみれの大小の猫たちが冷蔵庫の裏などで身を寄せ合い、数匹は妊娠して腹部が膨らんでいたという。

 飼育されていたのは成猫34匹、子猫10匹の計44匹。12日に脱水症状などで衰弱していた子猫10匹を引き取り、協力ボランティアらに譲渡。妊娠していた5匹には、藤岡市のふー動物病院群馬分院で堕胎と避妊手術を行った。残りの29匹については引き取って協力ボランティアの自宅で保護し、去勢・避妊手術を行った。

 飯田さんによると、飼い主の60代男性が2年ほど前から野良の雌1匹を家に入れて餌を与えるなどしていたところ、次々と繁殖。異臭が漂い、近隣からアパートを管理する不動産会社に苦情が寄せられていた。

 近くに住む50代女性は、自宅の庭にふんをされるなどの被害を受けていた。猫の保護を知り、「被害がいつまで続くのかと悩んでいた。解決に向かって良かった」と胸をなで下ろした。

 飯田さんは「多頭がいる狭い空間では、生後間もない子猫が食べられてしまうことがあり、本来はもっと数がいた可能性もある」と指摘。飼い主が社会との関係を絶っているケースも多いとし、「地域が異変に目を光らせ、迅速な去勢や避妊手術につなげることが必要。守れない命を増やし続けることに、飼い主は責任を感じてほしい」と力を込めた。(村山拓未)

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