トラクター盗難多発 昨年比で倍増ペース 自主パトロールの村も 群馬県内
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盗難防止に向けたパトロール隊の出発式=4日、昭和村

 農作業に使うトラクターの盗難が群馬県内で多発し、5月末時点で17件と、昨年1年間の被害18件に迫る倍増ペースとなっていることが23日までに分かった。大規模農家が多い昭和村では、今年に入って未遂1件を含む5件(昨年はゼロ)の被害を確認。村内はレタスやキャベツなどの収穫がピークを迎えており、村や村農業委員会は「やさい王国」のブランドを守ろうと、自主パトロールを実施するなど警戒を強めている。

 「作業に不都合があり、ものすごい痛手。とても許せない」。4月下旬に所有する小型トラクターを盗まれた同村内の男性は憤る。

 作業後に自宅から70メートルほど離れた倉庫に止め、鍵を掛けていたが、翌日午前5時半ごろ、盗まれているのに気付いた。コンニャクの種を植え付ける作業に約10年使っており、被害は約500万円相当という。

 被害後はリースでトラクターを借りて作業しているが、「保険が期待できず、新しい機械を買えるかも分からない」と途方に暮れる。「作業は最盛期で支障が出ている。早く犯人が捕まってほしい」と願った。

 以前にもトラクターの盗難があったため、村は今年3月までに、防犯カメラ計33台を各所に設置した。しかし、今年になっても被害が止まらないため、村などは事態を重く見てパトロールの実施を決定。今月から夜間を中心に村内の巡回を始めた。

 村農業委員会の角田昌義会長は「これ以上の被害を出さないようにしたい」と語り、堤盛吉村長は「村民の安心安全のために、全力挙げて盗難防止に取り組みたい」と強調する。

 被害は県内各地でも相次いでいる。県警によると、今年1~5月末に届け出を受けたトラクターの盗難被害は17件で、このうち1件が未遂だった。

 ある捜査関係者は「昼間に下見し、夜間に犯行に及ぶケースが多いようだ。盗むのも似たような種類、大きさが多い」とし、同一グループによる犯行の可能性も指摘する。同村を管轄する沼田署も警戒を強めており、鈴木徹署長は「(同村の)パトロール隊が警戒してくれるのはありがたい。警察としても犯人検挙と被害の未然防止に努めたい」と話している。(堀口純)

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