特定外来生物ウチダザリガニ 県内初確認 片品で繁殖の恐れ 生態系や生息範囲拡大に懸念も
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生徒が捕獲したウチダザリガニ(尾瀬高提供)
生徒が捕獲したウチダザリガニ(尾瀬高提供)

 特定外来生物に指定されているウチダザリガニについて、尾瀬高の生徒らが群馬県片品村の菅沼で野生で繁殖している恐れがあることを確認し、調査を進めている。これまで野生のウチダザリガニは県内で確認されていなかった。調査を行う生徒は「行動範囲が広く、繁殖能力もある」として周辺の生態系への影響を懸念している。

 同校が最初にウチダザリガニを確認したのは2019年10月。菅沼で行ったトラップによる調査で、延べ187匹が捕まった。沼の岸の15地点で調査を行い、広範囲で捕獲できたことから、分布は沼のほぼ全域に及んでいるとみている。また、抱卵した雌や幼体も捕まったことから、菅沼で繁殖している可能性が大きいという。

 ウチダザリガニは1920年代に北海道に持ち込まれ、道内の河川や湖沼などに生息が拡大。これまでに福島県や栃木県などでも確認されるなど、東日本に生息域が拡大している。魚やエビ、水生昆虫といった底生生物の他に水草などを食べて成長する。

 沼を管理する菅沼キャンプ村の担当者は「かなり増えてしまって困っている」と肩を落とす。特定外来生物は生きたままの持ち運びが法律で禁止されているため、利用客に対しては持ち込みや持ち出しをしないよう張り紙などで注意喚起している。

 同校は20年にも調査を実施。岸に仕掛けたトラップで捕獲した81匹にマーキングをして放し、翌日に再び捕まる個体数を調べた。再び捕まったのは3匹にとどまり、沼にはかなり多くのウチダザリガニがいると考えられるという。

 生徒は同校理科部顧問の星野亨教諭の協力や助言を受けて、調査を進めている。同部調査チームで3年の周藤宙さんと武井臨之介さん、2年の黒崎大翔さんと岩下恵美さんは「より正確な個体数が割り出せるよう調べる。沼の中心や水深のある場所の調査も行いたい」と話す。その上で、「近くに丸沼があるので、そちらに広がる心配もある」と懸念している。

 周藤さんらは「海外と日本で環境が違うため、ザリガニの生態も少し変わる。しっかり調べれば北海道などでの対策にも適用できるかもしれない」とさらなる調査に意気込んでいる。(高野誠也)

 ウチダザリガニアメリカ北西部原産で、1920年代に食糧難対策の一つとして北海道弟子屈町の摩周湖に持ち込まれた。道内をはじめ、東北地方や栃木県などでも生息が確認されている。雑食で体長15センチ以上に成長する。

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