「できることを精一杯」ソフトの上野が母校へメッセージ 大会中止の後輩に直筆色紙贈り激励
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上野選手が後輩に贈った色紙を持つ、福岡大付属若葉高ソフトボール部監督の粂本さん=福岡市

 東京五輪ソフトボール代表の上野由岐子選手(38)=ビックカメラ高崎=は昨年、新型コロナウイルス感染拡大で部活動の大会が中止となった母校の後輩にメッセージを贈った。「できることを精一杯 できることに感謝しながら」。北京五輪の金メダルから13年。自身も1年延期を乗り越え、本番を迎える日本のエースに、恩師は「楽しんで、勝って」と願う。

 昨年4月、全国高校総合体育大会の史上初の中止が決まった。3年生にとって集大成の大会。福岡大付属若葉高(旧九州女子高、福岡市)のソフトボール部監督、粂本健さん(58)は「落ち込んでいる後輩に、色紙を書いてくれないか」と上野選手に連絡を取った。

 在学時代にコーチだった恩師の頼みに、上野選手は快諾。届いた色紙には、依頼した部員の名前とサインの他に直筆の言葉が寄せられていた。

 「ひとにはできることと できないことがある できないことをなげくより できるひとをうらやむより できることを精一杯 できることに感謝しながら」

 思いが込められた色紙を、部員らは涙ぐみながら見詰めていた。「言葉の重みが違うな」。粂本さんは目を細めた。

 「高校当時から大人でも捕れない球を投げていた。別格だった」と粂本さん。決して偉ぶらず、より高みを目指し、ひたむきに打ち込んでいた。

 2008年、目標だった五輪金メダルを獲得。その後ソフトボールは2大会、競技から外れた。意欲の維持が難しい中、東京五輪での復活を支えに、マウンドに立ち続ける教え子の姿を尊敬とともに見続けてきた。

 「まさかの延期。力を保つだけでも並大抵でない努力がいる年齢で、相当こたえただろう」と思いやった粂本さん。「ようやく始まる五輪。思う存分、やりきって」とエールを送った。

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