変わっているよ、その“平年” 気象庁「平年値」更新で 前橋の年平均0.4度、全国的に上昇 暑さ注意
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群馬県内全13観測地点のうち8地点が35度以上の猛暑日となった19日、JR高崎駅西口周辺では「逃げ水」が現れた。(午後2時50分ごろ撮影)

 気象庁は本年度、気温や降水量などの目安となる「平年値」を10年ぶりに更新し、運用している。前橋(群馬県)の新たな平年値は、年平均気温が従来よりも0.4度上がり、最高気温が35度以上となる猛暑日の数は13.5日で全国上位の増加幅となる4.3日増。近年の高温化を反映している。平年値が上がったことに伴い、気温の「平年並み」や「平年より高い」場合は、これまでよりも暑さへの注意が必要だ。更新後初めての夏を迎え、前橋地方気象台は熱中症などへの警戒を呼び掛けている。

 平年値は、気温や日照時間、降水量などの気象や、冷夏や多雨といった天候について評価する際に利用される。気象庁は30年間の平均値を平年値としている。これまでは1981~2010年の観測値に基づく平均値を使っていたが、新たな平年値では1991~2020年の観測値を基にする。平年値は他に、風速や湿度、積雪の深さ、台風の接近数などがある。

 気象台によると、前橋の平均気温の新たな平年値は全ての月で従来よりも上回った。月別に見ると、7月が0.7度増と最も高くなった。3、5、6、10月が0.6度増、2、9月が0.5度増と続いた。

 最高気温が25度以上となる夏日は120.5日(9.0日増)、30度以上となる真夏日は58.2日(5.9日増)、最低気温が25度以上の熱帯夜の日数は9.3日(4.0日増)。逆に、0度未満の冬日は46.2日(4.3日減)と減少した。

 年平均気温の新たな平年値は、全国的に0.1~0.5度ほど高くなった。地球温暖化や数十年周期の自然変動の影響で、30年ほど前から急速に気温が上昇しているという。

 前橋でも、10年ごとに更新してきた年平均気温の平年値を見ると上昇傾向が鮮明だ。40年前には0.2度ほどの上昇だったが、今回の更新では0.4度ほど上昇している。今回の更新に伴って加えられた観測期間(11~20年)では、統計が残る1897年以降で最も高い年平均気温を記録した2018年(16.1度)、これに次いで高かった20年(15.8度)などもあり、平年値を押し上げた。

 気象台の担当者は「平年値が変わったことで、『平年並み』と表現される気温も変わる。熱中症への警戒が薄れる恐れも出てくるのではないか」と懸念する。本年度から全国運用が始まった、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に発表される「熱中症警戒アラート」を活用するなど、十分な対策を呼び掛けている。(高木大喜)

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