《届け!エール 東京五輪》次代の選手に希望を 飛び込み男子 村上和基選手の先輩・岡部優さん(伊勢崎)
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練習拠点だった関水電業敷島プール(県立敷島公園水泳場)の飛び込み台を背に立つ岡部優さん

 「悔いのないよう力を発揮してほしい」。水泳・男子シンクロ高飛び込みで東京五輪に出場する村上和基選手(32)(群馬県富岡市出身)の活躍を期待するのは、2学年上で小学校時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた群馬ダイビングクラブ(DC、前橋市)のヘッドコーチの岡部優さん(34)=伊勢崎市=。村上選手はペアを組む伊藤洸輝選手(21)=神奈川県出身=と五輪に出場する。

 代表選出の話を聞き、言葉にならないくらいうれしかったとする岡部さんは、「努力がようやく報われたという安堵(あんど)もある」と村上選手の苦闘を振り返る。

 村上選手は小学4年、岡部さんは6年で高飛び込みを始め、群馬DCの拠点の県立敷島公園水泳場(前橋市)に通った。2人は前橋育英高に進み、このプールで練習に明け暮れた。「村上選手はもう一本、もう一本と突き詰めるところがあった。いつも最後まで残って練習していた」と岡部さんは当時を思い出す。

 村上選手は高校3年の2007年に日本選手権高飛び込みで優勝し、08年の北京五輪から五輪を目指し続けた。大学2年の時、静岡県に練習拠点を移すと、当時の群馬DCの野村孝路コーチ(61)も付いていくことになった。

 岡部さんはコーチに捨てられたと思ったが、話を聞き、夢の五輪出場を狙える逸材だからこその決断だったと理解した。村上選手の武器は、美しさや力強さ、回転のスピードで、「昔から自分をいかにきれいに見せるかに貪欲だった」(岡部さん)。

 村上選手はその後、トップレベルの選手に成長したが、五輪への出場にはあと一歩届かなかった。12年のロンドン五輪への出場を逃した後に一度引退し、ボートレースに挑戦したが、再び飛び込みに復帰。岡部さんは「ストイックだからこそはい上がれた」と話す。

 村上選手は競技の普及も考えていて、「五輪での演技を見てもらい、やってみたいと思う人が増えるといい」と話したという。練習場所が少ないこともあり、県内の飛び込みの競技人口は年々減っている。岡部さんは「次世代の選手たちに希望や夢を与える演技をしてもらいたい」と期待を込めた。(丸山仁見)

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