生存者の声、赤裸々に 旧満州舞台の映画「葛根廟事件の証言」 31日から高崎で県内初公開  
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鎮魂の思いを込めて写経を続ける生存者=映画「葛根廟事件の証言」より

 終戦前日の1945年8月14日、旧満州の葛根廟(かっこんびょう)(現在の中国内モンゴル自治区)で旧ソ連軍の襲撃により、引き揚げ中の1000人以上の日本人が亡くなった事件を扱った映画「葛根廟事件の証言」が31日~8月14日、群馬県高崎市の高崎電気館で上映される。同市出身の映像ディレクター、田上(たのうえ)龍一さん(47)=東京都足立区=が、県内出身の生存者らに取材してまとめたドキュメンタリー映画で、2017年の完成後、県内では初めて公開される。

 映画は、田上さんが14年夏に新聞記事で葛根廟事件のことを初めて知り、戦後70年たっても知られていない事実があることに驚いたのを機に製作した。記事で知った、みなかみ町出身で、事件の生存者や遺族らでつくる興安街(こうあんがい)命日会代表の大島満吉さん(85)=同練馬区=と連絡を取り、大島さんの紹介で全国各地の生存者ら12人にインタビューした。

 取材時に既に75歳を超えていた人たちが、戦車にひき殺されたり、銃殺されたり、自決した人もいた事件の記憶や、その後の苦労を重ねた人生について赤裸々に語った。15年に行われた内モンゴル自治区での慰霊ツアーの様子も盛り込んだ。

 大島さんは「群馬県関係では大島家の5人だけが生き残るなど生存者が少なく、事件のことはほとんど知られていない。映画を通して、葛根廟のことを知り、平和について考えてほしい」と訴える。

 田上さんは「ほぼ全編インタビューで構成。映画を見る人が証言者と直接対話しているような気持ちになり、戦争が決して遠い過去の話ではないことを感じてほしい」と話している。

 問い合わせは高崎電気館(電話027-395-0483)へ。(斎藤雅則)

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