合宿続けて1年8カ月 南スーダン選手の大舞台での走りに、ゆかりの前橋の関係者からねぎらいの声
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女子200メートル予選で力走する南スーダンのルシア選手=2日、国立競技場

 東京五輪の陸上女子200メートル予選が行われた2日、群馬県前橋市内で約1年8カ月の長期事前合宿を行っていた南スーダン陸上競技選手団の先陣を切り、モリス・ルシア選手(20)が出場した。自己ベストに届かず予選で敗退したものの、大舞台で力走した。これまで支えてきたコーチや通訳ボランティアら関係者は画面越しに活躍を見守り、これまでの頑張りをねぎらい、奮闘をたたえた。

 ルシア選手は予選2組目に出場。スタートで出遅れたが、最後まで力強く走り切り、25秒24の6着でゴールした。

 同選手団のヘッドコーチとして支えてきた市陸上競技協会理事長、吉野宏さん(67)は「選手村に入ってから、いつも指導するコーチがいない中で、他の選手に食らい付こうと奮闘していた」とねぎらい、「強豪選手と走って感じたこと、学んだことを次に目指すパリ五輪で生かしてほしい」と話した。

 「6月中旬以降の体調不良で思い通りにできないこともあった。それでも大舞台で力いっぱいの走りをしてくれて感動した」とたたえたのは、ボランティアとしてトレーニングメニューなどを考え、指導してきた同市の会社員、山岸正範さん(44)。「今回の奮闘によって、南スーダンで彼女のようになりたいと思う同年代の女性選手が出てきて、一緒に切磋琢磨(せっさたくま)する環境ができるきっかけになってほしい」と期待した。

 通訳ボランティアの小笠原愛香さん(48)=同市=は、自宅で他のボランティアや日本でできたルシア選手の友人たちと、会員制交流サイト(SNS)などでメッセージをやりとりしながら応援したという。「私もそうだし、みんな家族のような気持ちで見守った。初めての五輪を堂々と走っていて素晴らしかった」と感激していた。

 同選手団の受け入れ、滞在中のサポートに携わった同市スポーツ課の職員約15人は、市役所の会議室で観戦。同課長補佐の萩原伸一さん(50)は「母国の平和やこれまで応援してくれた前橋市民の思いを背負って目いっぱい走ってくれた」と話した。(栗原綾菜)

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