《みんなの疑問 特別取材班》子どもへのワクチン接種、どうする? 効果と副反応、保護者に迷い
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 新型コロナウイルスワクチン接種を巡り、「子どもに打たせるべきか悩む」といった声が保護者から寄せられている。発症を防ぐ効果が確認され早期の接種を望む声がある一方、接種後の痛みや発熱をはじめとする副反応などを心配する人は少なくない。接種は強制でなく、15歳以下が打つには保護者の同意が必要だ。受けたかどうかでいじめや差別が生じないよう、国や自治体は啓発を強化している。

 群馬県伊勢崎市の母親(51)の元には7月下旬、高校1年の三女(15)や中学1年の四女(12)らの接種券が届いた。しかし、本人たちの希望を踏まえて接種は見送るつもりだ。子どもは重症化しにくいとされることや「副反応のリスクが大きいのでは」と感じていることが理由という。「ワクチンに頼らず、これまでの感染対策を続けたい」と話す。

 中学3年の長男(14)がいる前橋市の女性(47)も慎重だ。「大人でも副反応がどうなるかストレスを受ける。子どもには不安を感じさせたくない」

 一方、中学2年の長男(14)を育てる同市の父親(47)は、ワクチンを接種させる考え。新型コロナの感染拡大後、合唱コンクールや部活動の大会は軒並み中止に。「どれも中学校で仲間と学んだり経験したりしてほしいことばかり。子どもの大切な時間が奪われている状況を打開するためにも、希望する子への接種を早く進めてほしい」と話し、接種の広がりにも期待する。

 「判断できる情報が少なく悩んでいる」と話すのは中学1年の長女(12)を育てる太田市の母親(49)。周囲には接種した人が少なく、副反応の情報も気に掛かる。ただ、大学受験を控える高校3年の長男(17)には「大切な模試や入試前に感染してしまうと心配。できれば打ってほしい」と複雑だ。

◎国や自治体、慎重に配慮 差別防ぐため啓発

 米ファイザー製のワクチンの対象年齢は5月、12歳以上に広がり、県内でも希望する小中学生への接種が始まっている。18歳以上に接種されている米モデルナ製も、厚生労働省の専門部会が7月、12歳以上への引き下げを了承した。

 日本小児科学会は子どもへの接種について、(1)重篤な基礎疾患がある場合、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐことが期待できる(2)健康な子どもへの接種は、本人や養育者がメリットとデメリットを十分理解し、医療者側はきめ細かく対応する必要がある―などとする見解を示している。

 厚労省はワクチンの効果を周知するとともに、子どもを含め接種は強制ではないと呼び掛ける。文部科学省は6月、同調圧力を生む恐れがあるとして、学校での集団接種は推奨しないと自治体に通知した。

 国の方針を踏まえ、藤岡市は12~15歳に送った接種券に、接種の有無による差別をしないよう伝えるチラシを同封。市教委は「コロナに関わる偏見はあってはならない」として、各学校からも周知している。

 邑楽町は今月2日、12歳以上の子どもの接種を始めた。一般の町民と同じ方法で学校外の集団接種会場を予約、来場してもらう仕組みで、「子どものプライバシーには特に配慮したい」としている。

◎情報お寄せ下さい

 素朴な疑問や地域の困り事、不正の告発といった情報をお寄せください。情報源の秘匿は厳守します。誹謗(ひぼう)中傷を含んだり、係争中だったりする内容は取材できない場合があります。

 投稿フォームはQRコードから。郵送は〒371-8666 前橋市古市町1-50-21。ファクスは(027-251-4334)。住所、氏名、電話番号、メールアドレスを明記してください。宛先は上毛新聞「みんなの疑問 特別取材班」係です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事