北関東道4人死傷 幅寄せし事故誘発 容疑で栃木の会社役員の男を逮捕 県警
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事故で前部が大破した車両=2020年12月13日午後、県警高速隊
押収した容疑者の男の乗用車=10日、県警高速隊
取材に応じる男性。事故で乗用車を運転していた妻を亡くした

 昨年12月に群馬県伊勢崎市の北関東道で乗用車がガードレールに衝突し女性4人が死傷した事故で、幅寄せする形で事故を誘発しながら救護せずに逃げたとして、県警交通指導課と高速隊は10日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、栃木県真岡市西郷、会社役員の男(54)を逮捕した。

 事故は昨年12月13日午前3時50分ごろ、伊勢崎市三和町の北関東道西行きで発生。桐生市相生町の女性=当時(64)=の乗用車が、本線と伊勢崎インターチェンジ(IC)の分岐にあるガードレールに衝突し、女性と同乗の同市川内町の女性=同(56)=が死亡、同乗女性2人が重軽傷を負った。

 逮捕容疑は事故当時に同IC付近で乗用車を運転、何らかの理由により追い越し車線から左側の走行車線に斜めに走って幅寄せする形で、走行車線を走っていた乗用車をガードレールに衝突させて4人を死傷させたのに、そのまま逃走した疑い。

 県警によると、「今は何も答えたくありません」と認否を留保している。2台は接触していないとみられる。男は栃木県内から高速道に入り、埼玉県内で降りていた。

 県警は、男が漫然と運転していた可能性がある一方、事故の発生には気付いていたとみている。同乗者の証言の他に、防犯カメラや周辺を走行していた車両のドライブレコーダーなどから、男が浮上した。

 事故を巡り、遺族らは「車線変更してきた車を避けようとして事故が起きた」などと訴え、県警に上申書を提出。捜査関係者によると、県警は3月に事故現場を通行止めにして再見分するなどし、当時の状況を慎重に捜査してきた。

◎犠牲の女性の夫「一つ区切りついた」

 北関東道で女性4人が死傷した事故から約8カ月。衝突した車を運転し、亡くなった女性=当時(64)=の夫(66)=桐生市相生町=は、事故を誘発したとして容疑者が逮捕されたとの一報に、「一つ区切りがついた。お盆の前に良い報告ができる。警察には大変感謝している」と話した。花が好きだった妻のために、たくさんの花を飾った仏壇に静かに手を合わせた。

 事故後、同乗者から「車線変更してきた車を避けようとした」などの証言もあったが、なかなか真相解明にたどり着かず、やきもきしてきた。「(容疑者が)わざと幅寄せをしたのかと思うと、恨む気持ちが強くなってしまうし、『単に気付かなかっただけだ』と自分を納得させようとしたこともあった」と複雑な心境を吐露。「捜査で本当の原因が分かれば故人も浮かばれる」と語った。

 後部座席に乗っていて死亡した女性=当時(56)=の遺族はまだ気持ちの整理がつかないとしつつ、「着物にジャズ音楽と多趣味で交友関係が広く、いつも違う人が家に遊びに来ては家族を驚かせていた」と明るい人柄を語り、故人をしのんだ。

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