《空からぐんま》谷川岳 雲の切れ間 天空の絶景
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 〈涼しい風吹く 青空の匂い〉(Mrs.GREEN APPLE、青と夏)。激暑の下界を逃げ出して、どこかそんな別天地で息をしたい。8月初め、谷川岳を目指した。

 ロープウエーで着いた天神平駅(標高1319メートル)の涼感もつかの間、ザックをしょって山道を歩けば一瞬で「滝汗」に。空の青や木々の緑はこの上ないけど、はて、肝心の冷涼さはどこいった。

 「良いペースです。午後は雷警報ですから遅くならずに下りてきたいですね」。メガネを外して顔を拭ったのは真下英朗さん(45)=@hideakimashimo。上毛新聞のインスタグラムへの作品投稿が縁で同行してくれた。

 ロープウエーを使わないことも多く、雪に包まれた冬の谷川も攻める。この日は午前4時ごろに来て、一ノ倉沢まで自転車で行き来してから登った。一眼レフ、三脚、その他もろもろの装備品。これらを担ぎ、細身はひょいひょい進む。

 みなかみ町にある金融機関の支店に勤め、もうすぐ5年。3年ほど前に同僚の誘いで登山を始め、県内外で折々の景色を写すようになった。「上手な人に見せると『テーマが分からない』ってばっさりです」。謙遜に似つかわしくない力作が、インスタ上にはそろう。

 人口減少や新型コロナウイルスと同町を巡る社会環境も優しくない。それでも、おしゃれなスポットができたり、キャンプやラフティングを目当てに若者が集まったり。「(谷川をはじめ)この町を隅々まで知ることで、盛り上げられたら」。一瞬、銀行マンの顔になった。

 汗まみれで着いた山頂は、ガスで一面真っ白。がくぜんとしたのもつかの間、数分おきに雲が切れて光芒(こうぼう)が伸びたり、白くなったりした。間隙(かんげき)を縫ってドローンを飛ばし、ようようトマノ耳(1963メートル)、オキノ耳(1977メートル)の双耳峰を収めた。

拡大画像はこちら

 「あんなところにニッコウキスゲが咲いてますよ」。声を弾ませた真下さんと飛び交うトンボの間に、涼風が吹き抜けた。(文・五十嵐啓介、写真・大橋周平)

 ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 上毛新聞社は31日まで、写真共有アプリ「インスタグラム」の公式アカウント(@jomo_shinbun)で、「#グンマーの夏」をテーマにした作品を募っています。これまでに5200件以上の投稿があります。

 企画を通して一緒にもう一度、群馬の良さを見つめ直してみませんか。集まった作品の一部は、断りなくインスタで転載したり、紙面で紹介したりする場合があります。

 9月1日からは「#グンマーの秋」を募集します。

 ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

「空からぐんま」は月1回掲載。次回は9月28日


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事