草津・本白根山の噴火の原因か 火口直下に割れ目を発見 東工大、防災活用を期待
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 2018年1月に水蒸気噴火し、12人が死傷した草津白根山の本白根山(群馬県草津町、2171メートル)について、東京工業大は21日までに、噴火口直下の深さ約1キロの地中に噴火を引き起こす原因とみられる割れ目を発見したと発表した。噴火は地下にたまっている熱水の上昇による圧力変化で割れ目が開いた結果、熱水が地表近くまで運ばれて減圧・気化し、大量の水蒸気が発生したことで引き起こされたと推察している。

 研究は、同大理学院火山流体研究センターと京都大、東北大、北海道大、気象庁気象研究所が共同で実施した。草津白根山系の火口近くには山体の地殻変動を高精度で観測できるボアホール型傾斜計が3台設置されており、そのデータなどを解析した結果、熱水を地表に運ぶ割れ目の存在を発見した。

 同センター長の小川康雄教授によると、割れ目は火口から深さ約2キロの地中にある「熱水貯留域」と、地表をつなぐ場所に直立した形で存在している。正確な大きさは不明だが、噴火の前後に開閉していたという。

 さらに噴火には至らなかったものの、11年5月にも割れ目の開閉が起きていたことも分かった。このため、研究グループは以前からこの割れ目の開閉が原因となり、噴火や噴火未遂が繰り返されてきたとみている。

 小川教授は「今回発見した割れ目以外にも、水蒸気を地表に上昇させる道やガスの分布を調べ、火山のシステムを解明していくことで、火山防災や噴火予知に生かせる」と話した。

 本白根山の噴火は18年1月23日に発生。草津国際スキー場(現草津温泉スキー場)で訓練中だった陸上自衛隊員1人が噴石により死亡、スキー客を含む11人が重軽傷を負った。19年4月に噴火警戒レベルが1に引き下げられている。(桜井俊大)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事