所有者が届け出超え森林伐採 太田市が造林命令 「大雨で土砂崩れ起きないか」住民不安
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樹木が伐採された現場。現在、サクラなどの植栽に向けた工事が進む=27日、太田市

 群馬県太田市東金井町の金山丘陵南東部の私有林で、当初市に届け出た倍以上の面積の森林を伐採したとして、森林所有者で伐採者の製粉業、ダイコー(同市熊野町)に対し、市が森林法に基づく「造林命令」を出していたことが27日、分かった。命令は2020年7月20日付。同社は原形の回復に向けた造林工事を進めているが、現場では盛り土がされており、近くの住民からは「大雨で土砂崩れが起きないか」といった不安の声が上がっている。

 市農業政策課によると、同社は17年に山林の管理用道路を整備する名目で、約0.8ヘクタールのスギなどの樹木を伐採すると市に届け出た。だが、18年2月15日~19年1月31日とする工期が過ぎた後も現場で切り土や伐採などの作業が継続。市が調査した結果、当初の計画を大幅に上回る約2ヘクタールの土地が開発されていたことが分かった。

 市は同社に対し、造林計画書を提出して森林の原形を回復させるよう指導したが、応じなかったため、造林命令を出した。命令を受け、同社は22年3月末までに約1700本のサクラなどを植栽する計画書を提出。11月ごろから本格的な植栽を行うという。

 一方、現場は盛り土がされており、一部が市の土砂災害警戒区域に含まれるため、大雨による土砂崩れを心配する住民もいる。

 近くの70代女性は「怖くて雨の音に敏感になってしまった」と打ち明ける。7人家族で、うち3人が70代の高齢者だとして、「みんな無事に逃げられるかどうか…」と不安をのぞかせた。

 同社の斎藤勇会長は上毛新聞の取材に対し、造林工事が計画通りに進んでいるとし、「盛り土も基準通りやっているから、土砂崩れの心配はない」などと話した。
(中村穂高)

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