サッカー元日本代表・松田直樹さん急死から10年 AEDで命つなごう 普及進むも使用率低迷 きょう「救急の日」
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松田直樹さん(松本山雅FC提供) 
ザスパクサツ群馬が昨年行った救命講習(ザスパ提供)

 群馬県桐生市出身で、サッカー元日本代表の松田直樹さんが亡くなり、今年で10年がたった。トレーニング中に急性心筋梗塞を発症し、34歳の若さでこの世を去った。この松田さんの死をきっかけに、自動体外式除細動器(AED)の重要性が全国的に再認識されたものの、一般市民による使用件数は伸び悩んでいる。きょう9日は救急医療への理解を深める「救急の日」。松田さんの姉、真紀さん(52)は「いつ誰が、どこで当事者になるか分からない。一人一人ができることを実践してほしい」と願う。

 松田さんは前橋育英高を卒業後、J1横浜Fマリノス(マリノス)で活躍。日本代表として通算40試合に出場した。2011年にJFL松本山雅FC(現J2)に移籍、同年8月初旬に練習場で倒れ、救急搬送された。突然の訃報は多くのファンや関係者に衝撃を与え、JFLの練習場にAED設置が義務付けられるなど、普及の一因となった。

 県内ではほぼ全ての公共施設にAEDが設置されている一方で、救急隊員以外の一般市民による使用は低調だ。総務省消防庁の統計によると、19年に県内で心肺停止で救急搬送されたのは2210人で、そのうち、現場に誰かが居合わせ、心臓の不調に起因するものは506件。一般市民が電気ショックを与えたのは全体の57件にとどまり、使用率向上が課題となっている。日本AED財団(東京都)の担当者は「身近なAEDがどこにあるか、普段から確認しておくことが必要」と指摘する。

 松田さんの死をきっかけに、マリノスは心肺蘇生法やAEDの使い方を広める「#命つなぐアクション」を開始。取り組みの輪はJリーグ全体に広がり、J2ザスパクサツ群馬など各地のクラブが地域と連携して救命や防災に関する活動を行っている。

AEDの普及に取り組む真紀さんは「支えてくれた方々に感謝を感じる10年間だった」と振り返る。「『直樹さんのおかげで救えた命がありました』と、声を掛けてもらうこともあった。(AED講習などを通じて)これからもみんなで安心安全な環境をつくっていきたい」と力を込める。(金子雄飛)

◎すぐ準備し電源入れて

 前橋市はコンビニエンスストアへの設置を2017年に県内でいち早く始め、ほぼ全ての店に自動体外式除細動器(AED)が設置されている。同市消防局警防課の都丸崇行さん(45)に、使用する際の注意点を聞いた。

◇  ◇  ◇

AEDが手元に届いたら、すぐに準備を始めることが大切。通電が必要ない場合はAEDが判断してくれるので、ちゅうちょせずに電源を入れて機器の指示に従ってほしい。準備中、他の人と協力して胸骨圧迫を続けることもポイントだ。

 各自治体などは、救命講習会を開いている。新型コロナウイルス感染予防のため、前橋市ではインターネット上での講習を一部導入するなど対策をしている。AEDの簡便さを感じてもらえると思うので、ぜひ参加してほしい。

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